アドラー心理学サロンです。
この記事では、日常の何でもないことをどんどんネガティブに考えてしまうことへの対処方法をご紹介します。
職場や学校で、あの人は自分のことが嫌いなのではないか?
このような疑問を根拠なく持つことは良くあることだと思います。
ただ、根拠が無い以上、嫌われているかどうかなど判断すべきではありません。
そもそも興味を持たれていない可能性や、照れ隠しで本当は貴方のことを好きなのかもしれませんし、本人から直接聞くしか本当のところは分からないのです。
ある現実に対して、人がどのように認識するのかは、アドラー心理学ではライフスタイル=性格に基づくと考えます。
病気になったり、嫌がらせを受けたことにより世の中は危険が満ちており、悪いことばかりが起きるなど、嫌な体験ばかりすると人は何もかも嫌に感じられてしまいがちです。
何でもかんでも否定的に捉えてしまうことは、その人のライフスタイルがそうさせているのです。
厄介なのが、勘違いや思い込みが心を折る原因となっていることです。
アドラー心理学では、現実が歪んで見え、そのことが生きる上でマイナスに働いてしまう類の勘違いや思い込みを、「ベイシック・ミステイクス」と呼びます。
【主なベイシック・ミステイクス】
(1) 決めつけ
可能性でしかないことにレッテルを貼り付けること。
例.「この人は~だから悪い人だ」
(2) 誇張
1を10に盛ってしまう。
例.「ここぞという時に必ず失敗する」
(3) 過度な一般化
一部の問題を、全体の問題にする。
例.「嫌がらせしてくる人がいたから、この会社の人達はみんな悪い人だ」
(4) 単純化
ある目標が達成できなかった時に、全てが無駄であったと切り捨てること
例.「70点ではダメだ!それは0点と同じだ」
(5) 見落とし
1側面だけで他の側面を見ないこと
例.「(福利厚生や給与が高い会社で)この会社は、無茶な残業が多い」
(6) 誤った価値観
非建設的な価値観で物事を捉えること
例.「就活、転職に失敗したら人生はもう終わりだ」
このようなベイシック・ミステイクスは、下記のような負のスパイラルを生み出します。
負のスパイラル
否定的な勘違い、思い込みをする➡︎心が折れる➡︎傷付く
負のスパイラルに陥ると、負の感情に心を支配され思考自体が負の色眼鏡を通して見た事実を基にループしてしまいます。
このような負のスパイラルを断ち切るには、自分の認識が勘違いであることを自覚し、意識的な対処が必要となります。
下記の3つのステップを自問自答をして、そのネガティブ思考が思い過ごしではないのか確かめてみましょう。
ステップ 1 「これは思い込みではないだろうか?」と疑問を持つ。
ステップ 2 「誰がそう決めた?」と自分で問いかける。
ステップ 3 「それによるメリットは何か?」を考える。
ステップ1とステップ2で自分自身へ問いかけることで、その悩みが自分の勘違いに過ぎないと気付くことは良くあります。
落ち込んで、自信を無くすと人は周りを気にして悪い方へ考えがちですが、「誰がそれを決めたのか?」を考えることで単なる自分の悪い憶測であると思えることもあります。
ステップ3で、メリットを考えることで、自分が考えていたことによって何の得があるのかを考えます。
そもそも、誰かに嫌がられているかもしれないという思い込みは、その人達が貴方を嫌うメリットを考えるとわざわざ嫌うメリットなんてないことは良くあります。
以上がアドラー心理学でのネガティブ・マイナス思考から抜け出す代表的な方法の一つです。
1人でも多くの方が、「ベイシック・ミステイクス」から抜け出して幸福への一歩を踏み出すキッカケになれれば望外の喜びです。