アドラー心理学サロン

アドラー心理学で悩みを解決する糸口を探ります。

相手への介入と援助の違い

アドラー心理学サロンです。

自分と他者の課題を分離するのにあたり、頻繁に生じる問題として「介入」があります。

 

この「介入」と「援助」の区別に悩まれる方も多くいらっしゃいます。

 

この記事では、この「介入」と「援助」の違いと、他者への「勇気づけ」についてご説明します。


「介入」とは、他者の課題に対して土足で踏み込んでいく行為を表します。

 

典型例でいうと、勉強しなさい、働きなさいと自分の子供に命令をする親が当てはまります。

 

他者の課題に介入してしまう理由には、「縦の関係」が背後にあります。

 

対人関係を縦で認識し、相手を自分より低く評価しているからこそ介入してしまうのです。

 

親が自分の子供に「勉強しなさい」、「働きなさい」と命令するのは、本人からすると善意による働きかけのつもりでも、結局他者の課題に土足で踏み込み、自分の意図する方へ操作をしようとしているのです。


しかし、アドラー放任主義を推奨している訳ではありません。

 

目の前の苦しんでいる他者に手を差し伸べることは介入だからいけないとは言っておりません。

 

こういった場合には、介入にならない「援助」を行うことが必要です。


「援助」とは、大前提として課題の分離がされており、横の関係が構築されてます。


勉強をすることや働くことは、本人の課題であると理解をした上で、それを助けてあげられることを考える。

 

具体的には、勉強しなさい、働きなさいと命令をすることなく、本人に「自分は勉強できる」、「バリバリと仕事ができる」といった自信を持たせてあげ、自分の力で自分の課題に立ち向かっていけるように環境を整えるなどして働きかけることです。

 

この働きかけは決して強制であってはいけません、自分との課題を分離した上での自力解決を援助してあげることです。

 

課題に立ち向かうのか逃げるのか、その決心をするのは本人なのです。

 

こうした横の関係に基づいた援助のことをアドラー心理学では「勇気づけ」と呼びます。


人が自分の課題に立ち向かっていくことを踏みとどまっているのは、その人に能力が無いのではなく、単純に課題に立ち向かう為の「勇気」がないと考えるのがアドラー心理学のスタンスです。

 

つまり、その欠けてしまっている勇気を取り戻すことが課題に取り組み始めるポイントなのです。


勇気づけのやり方

褒めるのもダメ、叱るのもダメ、となるとどのようにアプローチしていけば良いのか?と疑問を持たれることでしょう。

 

対等なパートナーであると認識し、「横の関係」を崩さないようにしていくことがとても重要です。


自分の子供であろうと部下であろうと、褒めたり叱ったりするのではなく、友人が家事や仕事を手伝ってくれたと考えてそのパートナーに「ありがとう」と感謝を伝えたり、「嬉しいよ」と喜びを伝えたりすることです。

 

こうしたアプローチこそが「横の関係」に基づく「勇気づけ」なのです。


ここで一番大切なポイントは、他者を評価しないことです。

 

他者に対する評価とは、「縦の関係」に従属しているから生じるのです。

 

「横の関係」を意識しているのなら、純粋な感謝や喜び、尊敬の念を持った言葉が出てくるのです。


褒められるということは、他人からの良いか悪いかの物差しに従っていることとなります。

 

これでは自分の自由に制限をかけてしますことになります。


人は、他者から褒められることではなく、感謝されることによって貢献感と居場所を得るのです。

 

つまりは、自分に価値があると認識することができ、こう思うことによってのみ「勇気」を獲得することとなるのです。


人生のタスクに立ち向かっていくのに必要なこの「勇気」は、他人から評価を受けることで手に入れるものではなく、感謝をされることなどを通して主観的に「自分は他人に貢献できる」と思うことで獲得するのです。

 

つまり、「わたしという存在は、共同体にとって有益である」と思えたときに、人は自分自身の価値を実感することができます。


こうして、自分自身の価値を見出すことで、劣等感を排除でき、「勇気」を確立させ人は人生のタスクに立ち向かえるようになるのです。