アドラー心理学サロンです。
今回の記事は、物事を判断する際に、白か黒か、100点満点か0点かで極端な結論を出そうとしてしまう真面目な方へ、柔軟な考え方ができるようなアドバイスとなるよう心掛けました。
一例として、「課題の分離」の捉え方が難しいというご相談をアドラー心理学サロンでは頻繁に頂きます。
この「課題の分離」を極端に捉えてしまい、他者の課題は他者でのみ関与する問題であるとして、他者が困っていても知らん顔していて辛くなってしまったというお話もあります。
そもそも、アドラー心理学では、放任主義は決して推奨しておらず、むしろ他者への貢献を推奨しております。
つまり、他者の為に他者がやろうとしていることが、やりやすい環境をそれとなく整備してあげたり、他者が困っていて助けを求める時には、いつでも援助できる準備や姿勢を持つことが推奨されております。
つまり、「課題の分離」とは、ドライで自分と他人を完全に割り切って、あなたの問題なんて知らないよ!というものではありません。
心を病みやすい方は、白黒ハッキリつけようとしたり、100点でないと無意味だと考えたりする真面目な方が非常に多くいらっしゃいます。
たとえば、アドラー心理学の考えを学び、アドラーの教えと少しでも異なることをすれば、「自分は0点でなんてダメ人間なのだろう…」と考えられる方が多いのです。
そうした考えをしてしまっていると、完璧主義にもなりやすく、何かを始める際に準備ばかりしてなかなか行動に移せない状態にもなりやすいのです。
そうした方は、自分に合わなくて精神的にキツい職場で働いているが、転職をするのに今のスキルのままでは満足の行く会社に入れるはずがない!と考えて資格の勉強を続けてしまいます。
そして、そのまま合わない職場で働き続けた挙句にうつ病を患うといったことも非常に多く散見されます。
こうして白か黒か、100点か0点かをハッキリさせたがる性格では、生きるのがとても息苦しくなってしまいます。
どんな人間にも、物事にも、多面性があります。
それは白いところもあれば、黒いところもあります。
その中間である灰色を含めて、様々な配色で出来上がっているのです。
100点のところもあれば、0点のところもあります。
その中間の50点なところもあり、バラバラな点数で出来上がっているのです。
信号無視はしてはいけないと、法律でも世間でも言われておりますが、車が来る気配が無ければ信号無視をしてしまう方もいることでしょう。
その信号無視への捉え方だってその人の主観で配色も点数も異なるのです。
おまけに、白か黒か、何点かなんてあなたの頭で作り出された物差しであり、主観的なものなのです。
一般的に言われる客観的な物差しなんて、法律やテストの点数くらいしか存在しないのです。
法律やテストも、国や学校がそれぞれ作り出したものであり、万人に共通ではないのです。
つまり、白か黒か、100点か0点かにあまりこだわっても、単に疲れるだけなのです。
あなたにとっての「灰色」や、「50点」が相手にとっての「白」であり、「100点」かもしれないのです。
こうした尺度は、相手によってや、状況によっても容易に変動するのです。
ありのまま、その人や物事を受け入れてしまいましょう。