アドラー心理学サロンです。
本記事では、過去に受けたいじめや嫌がらせといった理不尽な仕打ちから、どうしても許せない人がいる方へ向けてその憎しみと如何に向かい合うかを解説していきます。
どうしても許せない人間がいるあなた、その人を許す必要性は全くありませんのでご安心ください。
アドラー心理学は未来志向で、非常にポジティブな生き方や考え方を推奨していると世間では思われております。
そのどうにも許せない過去の出来事に囚われるのは、あなたの今後の人生の足枷になりかねない為、確かにアドラー心理学らしく過去に囚われずに「今」を生きましょうといつのは正論であると思われます。
しかし、それは事の大小が大きく影響してきます。
そこ過去の出来事から大きな影響を受けている場合には、どうにも憎しみが込み上げて来て気が気でなくなることでしょう。
目次
- 許す必要はない
- あなたの為に、許すのはどうでしょう?
- 感情記録を取る
- それは、憎しみや怒りが込み上げて、気が気でなくなり目の前のことに集中できなくなったり、何らかの破壊的衝動に駆られて極端な行動を取ってしまうことを避ける為に大変有効な方法でもあり、地道で少し面倒な作業でもあります。
許す必要はない
許すか許さないかはあなたの課題です。
その課題には、私も含めて他人には介入することはできません。
確かに、アドラー心理学の考え方からするとその人を許すか忘れるかして、過去を振り返らないようにといった助言になることでしょう。
しかし、私はその人を許す必要も忘れる必要も無いと思います。
人によって、何をされたか、何を言われたかの捉え方は異なるのですから、それにより深く傷付いたり、激しい憎悪に満たされたこと自体はあなたの自由だと思います。
無理に許そうとしたり忘れようとすると余計にその人や、その人にされたこと、言われたことがあなたに固執して離れなくなってしまいます。
むしろ、その怒りや悲しみとどう向かいあって生きていくのか、どう前に進むのかが大切なことでは無いかと考えられます。
あなたの為に、許すのはどうでしょう?
許す必要は無くても、あなた自身は引きこもって許せない人の事ばかり考えて何もできない、働けないといった状況ではよろしくありません。
あなたにはあなたの人生があり、いつまでも許せない人や過去のトラウマに引きずられて囚われているのは、他人にあなた自身の人生を支配されているのと同じことになってしまうからです。
これは前に進んでいたとしても同様で、その許せない人のことや、その人にまつわることであなた自身の行動に制限がかかり、本来のあなたらしく振る舞えなくなって来てしまっているとなれば何らかの対処が必要となります。
それには、一つ方法があります。
それはその許せない人を、自分の為に許してしまうことです。
許すというと、相手の愚行を「仕方ない」、「人間には失敗は必ずある」、「何か事情でもあったのだろう」などと考えて菩薩のように相手を包み込んで受け入れるような意味合いで捉える方が多いのですが、ここで言う自分の為に許すというのはあなたが前を向く為の、個人主体な考え方となります。
要は、お前なんか大嫌いだ!、絶対にお前を私は受け入れない!と考えつつも、「私はどんな仕打ちを受けてもやらなければならないことがある、お前のことなんて考えてやったりする時間も余裕もないんだ、だから形だけでもお前のことは許してやる」という許し方です。
形だけでも「許した」事実があり、それをあなたが認識すれば、人間の脳には、「認知的不協和」という、「行動」と「思考」を一致させようとする働きがあり、その「認知的不協和」を活用することであなたは自分の脳を騙して前に進めるようになってなれます。
つまりは、どんな形であれ「許す」と考えてしまうことで、この「認知的不協和」という性質を自分の意思で利用してしまうことができるのです。
どんな形であれ許せない時は、地道に対処する。
たとえ形式上だけであっても、その人を許せないこともあると思われます。
そんな時には、感情を抑える方法として他の記事でもご紹介させていただきました方法で憎しみを抑えるしかありません。
感情記録を取る
それは、憎しみや怒りが込み上げて、気が気でなくなり目の前のことに集中できなくなったり、何らかの破壊的衝動に駆られて極端な行動を取ってしまうことを避ける為に大変有効な方法でもあり、地道で少し面倒な作業でもあります。
感情記録を作り、自分の感情の動きのパターンを理解して、その時その時でその憎しみや怒りを抑えたり、解消したりすることです。
具体的には、ノートを一冊用意します。
スマホのメモ帳などのアプリでも構いませんが、心理学的に文字を書き起こすことで深く自分の脳にその内容を認識させることができる為、紙に書くことをお勧めします。
そして、そのノートに毎回自分の感情が高ぶった時に、いつ、どこで、どんな時に、どのようにして感情が高ぶり、どんなことができなくなってしまったのかを記録するのです。
ここでは、できるだけ詳細に書き起こしましょう。
そして、冷静な時に定期的にそのノートを見直して、自分の感情の動きのパターンを俯瞰的に眺めてみましょう。
こういう時には感情が高まりやすいから、注意しようと心の準備をしたり、生活パターンを変える、もしくは別の仕事に転職するなどであなたの憎しみの感情は徐々に収まり、最終的にはその許せない人の事や、された事、言われた事も思い出さなくなれるかもしれません。
結局のところ、どんなに腹ただしく、憎くても、他人にこうあって欲しい、謝って欲しい、お詫びして欲しいと思っても他人のことは変えられませんし、他人が何を思い、どう行動するのかという判断には人は介入することはできないのです。
結論から言うと、本記事で紹介した方法を活用して、あなたの中で何とか処理をして発散してしまうしかありません。
要するに、一種の割り切りといった諦めが重要となります。
その為にも、アドラー心理学の「課題の分離」それから「承認欲求の否定」の考え方を通して、本当の意味での大人になることも大切となります。
リンク先の記事をご覧いただき、是非こちらの考え方にも触れ、あなたの考えを整理してみてください。
本記事の内容で1人でも多くの方のお気持ちを穏やかにすることができましたら望外の喜びです。