アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、ぼかしを入れますが、皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
※個人情報の保護の観点から、回答文に失礼な表現が含まれますが、実際の言葉遣いとは異なります。
Q1. ご相談
わたしは高校生で吹奏楽部に所属しています。
ですが最近本気で部活をやめたいと思っています。
顧問の先生は好き嫌いが激しく、嫌いだった先輩(引退済み)の悪口を言うこともあるし、かと思えばお気に入りだった先輩と私たちのことを比べてけなすことも少なくありません。
私に対しては全然良いのですが、嫌いな生徒には言葉遣いもたまに荒くなります。同級生の中に、「消えろ」と言われて部活に来なくなった子もいます。「いてもいなくても同じ」「いると邪魔」「お前彼氏に逃げられるぞ」なども。
音楽のことに関して私たちは全然未熟なことくらいわかってます、だとしても、言っていいことと悪いことの判別ができず言葉に出ていることが多いです。
ここまで長くなり申し訳ありませんが、今、大きな大会が一段落して、まだイベントはありますがはやく辞めたくて仕方ありません。あの顧問に会いたくないです。本当にストレスがすごいし、プレッシャーから逃げ出したくなります。この部活を続けていてもなにも得られないし楽しくないとまで思っています。
しかしやめるとなると他の部員の子達への罪悪感があって、私は成績の推薦で入ったのですが部活の推薦で入った子の方が多く、やめられない子がたくさんいます。仲良しの友達との関係もあるし。でも今すぐにでもやめたい。
もうどうすればいいかわかりません。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
学生時代の部活動が、みんなからどう思われるのか?、ただの逃げなのではないか?などと考えて辞められないことは良くあります。
しかし、結論から言えば、あなたがどうにも耐えられないと思うのなら、退部した方が良いと思います。
「みんなが頑張っているから私も頑張ろう」、この考え方は周囲の人たちへの思いやりでもあり、とても大切です。
ある程度は「みんな頑張ってるから頑張ろう!」と奮い立たせる考え方を持つ方が良いことも良くあります。
しかし、あなたが限界ならば仕方ありません。
風邪を引きやすい人、引きにくい人がいるように、体の免疫力だけでなく心の免疫力だって人によって異なるのです。
精神的に限界で、自分のやりたい事が出来ないのに批判や周りの目を気にしてそのまま惰性で続けてしまうのは、あなたもみんなも救えない単なる自己犠牲になりかねません。
集団志向で行動する傾向の強い日本社会では、「みんなが…」、「普通は…」、「世間では…」と言い、個人を集団の中での平均値に抑え込もうとする昔の村八分をベースにしたような同調圧力が強く存在します。
学生の間は特に田舎だったりすると、余計に学校の中での世界しか無く、人間関係も固執的になります。
居場所なんていくらでもあります。
確かにある程度は守るべきマナーやルールなどは存在しますが、必ずあなたに合う居場所は存在します。
その場所が駄目になったからって居場所が無くなる訳でも、あなたの存在が無価値になる訳でもありません。
他人があなたをどう思うのかは、相手の課題でありあなたの課題ではありません。
あなたは他人の課題には介入できません、つまり他人が自分をどう思うのかは、自分には長所のアピールや誤解を解く努力が出来るくらいでそもそも変えること自体不可能なのです。
アドラー心理学では、これを「課題の分離」と呼び、自立した幸福な人生を生きる上での基本としております。
また、みんなから認められたい要求を多くの日本人は持ちますが、周囲への貢献を心がけている訳でも無いのなら、無闇に自己犠牲して「みんなの求めるわたし」を演じてばかりいてはあなた自身の人生を生きる事が出来ず、他人の人生を生きることになってしまいます。
自分をひたすらに押し殺すだけの、みんなとの表面的な関係性を維持することだけにとらわれると幸せを感じられる人生からは遠ざかります。
アドラーはこうした問題から、みんなから認められたいという欲求を持たない方が良いとして「承認欲求の否定」を提唱しております。
前置きがくどくなりましたが、一定の批判を受けることになるかもしれませんが、つらいなら辞めてしまいましょう。
これは、あなたが将来就職したり、結婚しても同様の問題が起きる可能性が高いので良いトレーニングにもなります。
理不尽な要求をしてくる上司や先輩に、「みんなも我慢しているから…」と我慢を続けて、ある時限界が来て自ら命を絶ってしまったり、心を壊して引きこもりになってしまうことだってあります。
そうなってしまう前に、自分で自分を守り、自分の人生を幸福なものにする為にも、勇気を持って退部してみましょう。