アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、ぼかしを入れますが、皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
※個人情報の保護の観点から、回答文に失礼な表現が含まれますが、実際の言葉遣いとは異なります。
Q1. ご相談
・年齢(年代でも可)
40代
・性別
男性
・職業
求職中
・今後どうありたいのか
他人の目を気にしないで自分らしく生きていきたいです。
・ご相談内容
はじめまして、毎日が辛くこちらへたどり着きました。
仕事ですがうつ病になり退職し現在、自宅療養中です。
無職で平日(土日も)家に居るため近所の目が気になり外出もままならない状況です。
近所からも怪しい人?と思われています。
外へ出ると不特定多数の他人に避けられます。
道を歩けば目を背けられたり汚いものでも見るかのようにじっと見られます。
またチラシ(ティッシュ)配りの人に私だけ配ってくれなく自己嫌悪になります。
コンビニ等入っても「いらっしゃいませ」の挨拶をされないです。
電車に乗ると私の隣の席には座ってきません。
気分を変えるため図書館や喫茶店等に入っても避けられる為、居心地が悪く現在は気軽に入れない状態です。
毎日、お風呂にも入りますし体型、顔も普通だと思います。服装や身だしなみも気を使っているのですが何故他人に避けられるのかわかりません。
居場所がなく毎日が生き地獄で辛いです。
・問題だと思う点
不特定多数の他人に嫌われたり避けられたりします。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
うつ病を患われているとのこと、お辛いですよね…。
世の中全員から嫌われていると感じられているようですが、この場合には考え方は大別すると2つあります。
1つは、自分を好きになれば世の中の見え方が変わるという考え方です。
自分が嫌いで、自身が無く、常に卑屈な態度で「どうせみんな自分のことなんて嫌いなんだ…」といった考え方をしているとそれは表にも現れてしまい、周りの人たちにネガティブなイメージを与えてしまいます。
ネガティブで、不幸そうな人にわざわざ近寄りたい人はあまり多くはないでしょう。
一方で自分が好きな人は常にポジティブなイメージを他人に与えることで、その人の周りにはたくさんの人達が集まりやすいのです。
自分を好きというと、行き過ぎると自己愛者のようで鬱陶しがられますが、好きになるまでいかなくても、ある程度は自分の今まで「できなかったこと」ではなく、「できたこと」を見つけ出しては積極的に自分を褒めてあげるようにして自己肯定感を保つことは大切です。
そうすることで、周りの人たちの自分に対する扱い方や世の中の人たちへの見方も変わることでしょう。
アドラー心理学では、「世の中には客観的な事実は存在せず、全ては主観である」としています。
つまり、全てはあなたの捉えよう次第であり、あなたの長所も短所も、あなたで判断してあなたで褒めても良いということになります。
2つめが、世の中の人間全員が特定の個人を嫌うことはありえないと認識することです。
世の中の人間全員から嫌われていると思われているようですが、世の中の人間が全員本心から特定の個人を嫌うことはありえません。
たとえば、会社の中でどれだけ仕事ができなくても、どれだけ人間的に問題があっても、本心から特定の個人を社内の人間全員が嫌うということは起こりえないのです。
会社の中で言うならば、人数が少ない職場だとして、その中で多数派から嫌われていて、その他の人達も同じように振舞っていても、それは自分が嫌われないように、酷い目に遭いたくないからという理由からそう振舞っている訳であり、その人を嫌っているというよりは自分の保身の為にその人を嫌ったり避けたりする振る舞いをしているのです。
そもそも、人は他人には興味は無く、この行動原理も自分にしか興味が無く、誰かを嫌う程の興味も無い人たちによる行動でもあります。
特に似た者同士で結束して、集団の和を重んじる傾向の強い日本人にはよく見受けられる現象です。
これを拡張して捉えると、世の中の人間が全員あなたを嫌うことはありえませんし、世の中の人間が全員結束してあなたを嫌ったり、避けたりする振る舞いをすることもありません。
集団を重んじる日本社会とはいえ、街中でいくらでも人がおり、国民全員で誰かを嫌うことなんてありえません。
たとえ何人かに嫌われて避けられていたとしても、アドラー心理学では、「悪いのはみんなではなく、攻撃してくる特定の人たちである」という捉え方を推奨しております。
まとめとしてですが、お互いに会ったことも話したこともないような不特定多数は、そもそもえなたに興味を持ってはおりません。
誰もあなたに興味なんて持たないという意味ではありません。
しかし、よく知りもしない初対面の人に対して、話しかけやすさなどの人当たりを感覚的に感じたりすることはあっても好き嫌いの感情を抱くほど人間は他人には興味自体がありません。
あなた自身の他人に対する関心を減らしていくことも良い手段かもしれません。
アドラーは「課題の分離」という、他人が自分をどう思うかどうかはその人の課題であり、他人の考え方を変えることはできないという考え方を提唱しております。
また、アドラーは「承認欲求の否定」も提唱しており、周りに認められようとすることを非難しております。
この2つのアドラー心理学の考え方を応用して、「自分は自分であり、周りの人たちに自分のことを介入させないし、周りの人たちに認められる「わたし」になる必要はない」と割り切って考えてしまうのも良いと思います。
もちろん、法やマナー(加減調節が必要です)を守る必要はあります。
あくまで考え方の一例として、あなたのお悩み解決の一助となれましたら幸いです。
自分を「うつ病患者」や「問題のある人間」というようにあまりレッテルを貼らないようにした方が活力も湧くかもしれませんね。
治療にあたっては、担当のお医者様ともしっかりとコミュニケーションを取って、焦らず回復を待ちましょう。