アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
今回は社会に出て働きたくないので、やりたいことが分からないというお悩みのご相談です。
アドラー心理学を基に、これについてどう対処すべきなのかアドバイスさせて頂きました。
個人情報保護の為、一部にぼかしを入れます。本事例が、皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
Q1. ご相談
現在19歳の女です。
仮名としてリリと申し上げます。
高校を卒業してから職にはついておらず、家が農家なのでその手伝いをしています。
私は今これからの働き方について悩んでおります。
どう働くのか。が私の課題なのですが
働き方は大きく分けて2つあり、
①(家を継ぎ)自営業をする②企業に雇用される ですが、どっちを選択すべきかわかりません。
どちらが善だ悪だではない事がわかっていて、他人に委ねるのでなく自分で決めるものだからこそ大きく迷っています。
このまま家で農家を目指すのか、企業で働くのか…どうすればいいか分からないです。企業で雇用されることを目指すのならバイトからキャリアを積み正社員を目指す必要がありそれは若いほど有利という社会的現状もあります。
焦っています、早く決めるべきだけど焦るべきではないし苦しいです。
農業はやりたい事ではないし、また雇用されることもやりたい事ではありません。つまるところ私は働きたくないのです。楽をしたいと思っているのです。
「仕事をする」という行為はやりたい事ではないけれど、やるべき事だから苦しいです。
働かないと生きていけないのは知ってるのに分かってるのに働きたくない。永遠に子どもでいたいと願ってしまいます。
最終的には自分で考え自分で決める事とは理解しています。でも1人で考えるにはあまりにも苦しいです。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
ご相談ありがとうございます。
10代の方、学生の方にお馴染みのお悩みであり、働きたくないというお悩みを持つこと自体は何の問題もなければ珍しくもありません。
働きたくないというのは、自分のやりたくないことでやらないといけない、どんなに辛くても、上司や先輩の命令通りに仕事をしなくてはならない。
何をするのも自己責任になり、プレッシャーが大きくなるのに付いていけるのかという不安もあることでしょう。
世間一般の大人、いわゆる人生の先輩としましては、たしかに安定した会社で働き始めたり、農家も今後食うに困らないのなら問題ないと思うので、堅実に働いていくのが良いですよ。という無難なアドバイスになります。
ただ、アドラー心理学には「承認欲求の否定」という考え方があり、アドラーは承認欲求を強く持つことを激しく非難しました。
承認欲求を強く持ち過ぎてしまうと、本来の自分の欲求からやりたいことが出来ずに、他人や世間の求めることをやることになり、「みんなが求めるわたし」を演じてしまい、自分の人生ではない他人の人生を生きることになってしまうとアドラー心理学では危惧しているのです。
あなたが何に価値を見出し、自分の人生の中で何を求めるのかはあなたの課題であり、他人が良しとするものを得ることがあなたの幸せではありません。これはアドラー心理学の課題の分離という考え方で、他人が自分をどう思うのかは他人の課題であり、自分の課題ではない為、本質的には介入して介入することはできないという考え方です。
何が言いたいのかと言いますと、結論から言えば働きたくないのであれば働く必要は無いと思います。もちろん、食い扶持を繋ぐ手段として短期や短時間のアルバイトをする必要や、何らかのお手伝いをする必要は出てくると思います。
一旦は、あなたがやってみたいなと少しでも思えることをやってみては変えてを繰り返しながら、熱中できること探すのはいかがでしょうか?もちろん、どこかで区切りは必要となりますが、無理に働かないといけないから正社員になると考えるのならそのくらいの心持ちで良いと思います。
会社員なんて、年齢がそこまで若くなくても誰でもなれます。今よりも選択肢は狭まってしまうかもしれませんが、いくらでも会社も仕事もあるものです。
特に今後は、人工知能(AI)などのテクノロジーこ発達で人間が働く必要が縮小していきますので、無理に会社勤めをしたりしても仕事そのものがなくなる可能性だってあります。むしろあなたがやりたいと思えることにどんどん挑戦して、それを仕事に繋げられるようになれれば会社員として同じことばかり嫌々やらされている人たちよりもチャンスも多くなるかもしれません。
あなたが人並みの幸せや安定を求めることを諦められないのなら、もちろん家業の農家を継いだり、会社員になるのも良いと思います。
あなたの中で優先順位を考えてみましょう。
また、社会はあなたが思っているほど辛いものでもありません(笑) ブラック企業に勤めてしまったり、昔ながらの根性論を振りかざして過度なプレッシャーを与えて新入社員を鍛える考え方をしているような会社などでは確かに社会は厳しいと感じるかもしれませんが、転職も一般的になりつつあり、企業も人が辞めない配慮を時代と共にしていくようになりました。
リラックスしてて、やりたい仕事を優先的にやらせてくれる優しい人たちの集まった温かい会社だってあるのです。
また、自分のやりたいことで贅沢はできなくても自営業をして楽しく生活している人たちもたくさんいます。
楽しめることも沢山あるはずなので、社会に出て仕事をすることをそんなに心配したり、嫌がらなくてもいいんじゃないかな?と思いました。
正社員になるにも、学歴に関係無くアルバイトから上がる必要は必ずしもありませんし、入れる会社もいくらでもあります。
少し視野が狭くなってしまっているようなので、広く情報を集めてみたり、色んな人たちと出会える場に行ってみるのも良いでしょう。
私からのアドバイスがお役に立てましたら幸いです。