アドラー心理学サロンです。
洋の東西、時代を問わず、子育てや育児には多くのママとパパが頭を悩ませているのではないでしょうか?
子供が言うことを聞かない、いけないことばかりしてカリカリしてしまっているそんなお悩みを持つママとパパの為に、アドラー心理学の叱らない子育て方法をご紹介致します。
叱らない子育てというと、聞くだけで皆さん違和感を感じるのでは無いでしょうか?
いけないことをしても、怒っちゃいけないの??それって自由気ままでワガママに甘やかして育てろってこと!?と思われる方も沢山いらっしゃることでしょう。
決して放ったらかしの放任主義をオススメしている訳でも、褒めて甘やかしすべきといった子育てを推奨している訳ではありません。本記事にてご紹介する叱らない子育てというのは、言い換えれば「怒らない子育て」とも言えます。
大前提として、パパさんママさんに払拭して頂きたいイメージがあります、それは、、「しつけ」、「叱る」=「怒る」というイメージです。いけないことをしてもわざわざ大きな声、怒った顔を見せて「コラ!なにしてるの!」なんて威圧して制止したりする必要は無いということです。
子供はまだこの世界で生きてきた経験が少ないのです。学校でも職場でも、まだ日が浅い人の方がその場でやって良いことと悪いことが判別しきれていないのと同様です。そんな時に怒って叱りつけて教え込むということは、単にあなたは子供を服従させて自立の阻害をしているだけになってしまいます。
怒ってしつけるのではなく、いたずらをしようとしたなら「それはダメだよ、後片付けが大変になっちゃうからね」と会話のレベルは下がりますが、大人同士で話す時と同じように説明してあげるのです。
「怒り」という感情には、相手を自分の思い通りに操作したいという「支配」といった目的があります。
子育ての場面においては、そうやって言葉で説明したりすればいいものをわざわざ怒りに表す時点で、自分の思い通りにしろ!と言って主従関係を意識させてしまっていることと全く同じなのです。
また、子供に怒ることは、その他の弊害も生じさせてしまう危険性があります。
この弊害は子育てをする上で最も注意が必要となることなのですが、少々複雑です。
それは、子供は良いことをして親に注目してもらえなければ、悪いことをして親の注目を得ようとしてしまう傾向があることです。
アドラー心理学では、人間であるということは劣等感があるということだとして、劣等感の人間は切り離せないと考えております。人には、今よりも良い状態でありたいという少なからずの向上心があるからです。
この向上心をアドラー心理学では「優越性の追求」と言います。ただ、この呼び方は健全な努力をして向上しようとしている場合に使用され、悪いことをして注目を浴びて、自分の劣等感を穴埋めしようとしている状態は「安直な優越性の追求」と言い、不健全な努力をして安易に劣等感から逃れようとしている状態を表します。
子供で例えるなら、言うことを聞かないで逆のことをしてみたり、幼稚園や学校で授業を抜け出そうとしたり、わざと勉強や運動をしないで悪い成績を取ったりケンカやいじめといった非行に走ったりが代表的です。
このアドラー心理学の叱らない子育てを実践することで、「安直な優越性の追求」という不健全な努力を重ねて劣等感から逃れられなくなってしまうことを防ぐことにも繋がるのです。
特に早生まれの子や末っ子といった子には注意してあげましょう。
当たり前ですが、叱らないだけでは助長を防ぐことしかできません。
アドラー心理学の「勇気づけ」をすることで「安直な優越性の追求」という不健全な努力から抜け出させることができます。
アドラー心理学の子育てにおける「勇気づけ」については、他の記事にてご紹介させて頂きます。
親だって完璧な人間ではありませんので、時には感情的になってしまうこともあると思いますが、他人に謝るのと同様に、感情的に怒ってしまった場合にはお子さんにも謝ることは主従関係ではなくて、信頼できる親子関係を築く為にはとても大切なことです。
その為にも、ポイントとしましては下記を守ることが大切です。
・怒らず、普段の温度感で良し悪しを説明する
・怒ってしまったら、一個人として謝る
・やるべきことをやらせるには、「~しなさい」と命令するのでなく、対等な位置から「~してくれる?」、「~しない?」
・親子間で、主従関係ではなく、信頼関係を築けるように心がける