アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご掲載致します。
今回のご相談は、長いことセクハラやパワハラに悩まされたご相談者様が相手を許せず、どうしたら良いのか分からないとのお悩みです。
アドラーの観点から、どのように考えて前に進むべきなのかご提案させて頂きました。
個人情報に関しましては、一部ぼかします。
あなたの悩みの解決に、本記事が役立ちましたら望外の喜びです。
Q1. ご相談
アドラー心理学サロン様
初めまして。いつもフェイスブック、ツイッターで、アドラー心理学サロンさまの投稿を読ませていただいています。
どうしても悩みがあるので、メールさせてください。
40代の教員の女です。
来月末で定年退職する学校長に何年もの間、パワハラとモラハラ、セクハラをされ続けました(勤務中に校長のズボンの裾上げをやらされ、断ったら教育委員会にに「勤務態度不良」として報告され給料の評定を告げられ、仕事も丸投げされ、スマホも盗み見られ、命の危険を感じるような暴言を吐かれ続けられました。)この校長が原因でうつ病になり、精神科にも通い続け、ようやく治りかけてきたところです。この校長とは人事異動で、別の学校に勤務していますが、どうしてもこのジジイのことが許せません。
今までされてきたことをはがきに書いて、3月末に自宅に届くように投函し、ジジイの家族の目に触れるようにしたいと、本気で思っています。
どうしても怒りが収まりません。アドラー心理学を学んではきていますが、なかなかトラウマから抜け出せません。
ぜひご相談よろしくお願いいたします。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
それは酷い仕打ちを受けられていましたね…
辛い中でも頑張ってこられたあなたは素晴らしいと思います。
確かにその校長は人として、教師として失格な程に問題がある人間だと思います。
然るべきところに処分を申し出るべきだと思いますが、状況を聞く限り難しいようですね。
アドラーはトラウマの存在を否定するスタンスであり、あなたならどうしたいのか、どうありたいのかを選択することで過去は関係無くなるという考え方です。
目的論のアドラーらしい考え方ですが、実はアドラーは過去の「影響はある」と言及しております。
その影響の克服方法は、あなたがどのように過去に対して意味づけを行うのか次第となります。
長年に積もり積もった憎しみから、腹の虫が収まらなくて過去に執着してしまうというご相談は複数受けます。
こうした場合にもっとも効果がある考え方は、「自分の為に一先ずは許してやる」と考えることです。
あなたがその校長にセクハラなどのハラスメントをされていて許せないお気持ちはとても良くわかりますが、そうして他人によって自分のことに集中できない状態になってしまうことは、アドラーの課題の分離を応用すると、自分の課題に他人を介入を許していることになってしまいます。
一先ずはあなたが前を向く為に自分がこれからの人生を前向きに、幸せに生きる為にも一旦は許して忘れておいてやる。その内、見ておけ!
と考えておいて自分の人生を充実させるように頑張ってみると良いかもしれません。
最終的に、あなたが満たされた状態になれればその人のことはどうでもいい存在になっていくかもしれません。
あまりにも憎しみが強いと「許す」ことにかなりの抵抗があると思いますが、その時点では我慢ならなくても自分の状態が変われば余裕ができたり、自動的に忘れていくこともありえます。
人間の脳はとても都合良く作られていて、嫌なものは忘却していくようにできているものなのです。
あなたご自身の中で、新たな目的を設定してその達成の為に「今、ここ」を集中できるようになれれば必ず憎しみが収まる時が来るはずです。
話は変わりますが、報復を推奨する訳ではありませんが、何らかの手段で相手に対してやり返すというよりは報いを受けさせることについては賛成です。
悪事を働いても裁かれないのは法的にも問題がありますし、新たな被害者を作り出してしまう恐れがあるからです。
一度、警察等にご相談されるのは如何でしょうか?