アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご掲載致します。
今回のご相談は説明の足らない上司に対して腹が立ってしまい、このまま我慢しないといけないのか、こっちの身もなって欲しいとのお悩みです。
アドラーの観点から、どのように捉えてどう行動するべきなのかご提案させて頂きました。
個人情報に関しましては、一部ぼかします。
あなたの悩みの解決に、本記事が役立ちましたら望外の喜びです。
Q1. ご相談
・年齢
20前半
・性別
女性
・職業
事務員
・今後どうありたいのか
私が不足している部分があるなら変えていきたい。対等なコミュニケーション
・ご相談内容
会社の広報活動としてカタログやパンフレット・動画を作成しており、画像編集や動画編集が必要不可欠です。
今現在、画像編集ソフト(photoshop)を持っているのは、私の上司であるAさんです。Aさんは画像編集ソフトをマスターしています。
特に画像編集は今までも何度か画像編集をお願いしていましたが、色味などが不服でした。何往復もAさんと私が理想とする出来上がりについてやり取りしなければなりませんし、やり取りしたとして完成しても、私が完全に納得するかはわからないため、私が画像編集ソフトをマスターしたら時間が無駄にならないと思ったのが、きっかけです。
まず営業の方に簡単な画像編集ソフトで編集したのを見てもらうと、やはり画像編集が荒く、悩んでいました。私が調べると有料しかなく、私はあくまで検討段階でフリーソフトを探して、目星がついたらAさんに相談しようとしてました。
しかしいきなりAさんが、photoshopの無料版(サポートが終了している古いやつ)を説明なしに入れられ、その後操作を教えてくれるわけでもなく、ほったらかしにされたため、意味が分からず、私は続けてソフトを探していました。
そしたら本日、私がソフトを探し続けて買うつもりだと勝手に解釈し、「報告、相談して」「勝手に買うな」「まず私が入れたソフトを使え」「私でさえ時間がかかったんだから(あなたには無理、という意味です)」「すぐに扱えるようになれとは言わない」と言われました。
いや、そもそも私は検討段階だし、模索中だっただけで買うなんて一言も言ってない。私からしっかり話も聞かずに、周りの話を勝手に解釈したのです。
Aさんはいつもそうです。母が入院予定で家の事をしないといけないため、休むかもという内容を相談しましたが、母の心配しかしませんでした。私は私自身に共感してくれると思いました。
入社当初もクーラー調整をした私に「社長が調整するから」と言ったくせに、言った本人のAさんが調整してたときは唖然としました。
相談しても全然共感してくれないし、言ってることとやってること違うし、「あなたには無理」という意味のネガティブな言葉しか言われません。
だからAさんに相談したくないんです。
今後、私は我慢して報告・相談しなきゃいけませんか?
報告・相談は強要されるものなんですか?そんなのパワハラです。
相談しないのではなく、Aさん自身の対応が悪いから相談したくないと考えてほしいだけなんです。
どうかよろしくお願いします。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
今回の状況は、上司とのソリが合わないという表現が適切なのかもしれません。
ただ、上司がPhotoshopの無料版を入れてきて、自分で勝手にできないと判断してよく分からないからと別のフリーソフトを探していたとのことですが、こちらは良いことではなかったと思います。
なぜかと言うと、上司には上司の思惑があって指示を出しているので、お話を伺う限りよく分からないからと勝手な判断で別のことをしようとしているのとやっていることが同義になってしまうからです。
もちろん、説明不足の上司にも問題はあると思いますが、一言でもあなたから相談してどうすれば良いのか支持を仰ぐべきではあったのだと思います。
お母様が入院される為、休むかもしれないことを相談した際にあなたが思った通りの反応が上司から見られなかったとのことですが、アドラーの課題の分離の考え方を応用すると、他人が何にどう反応するのかはその人の課題であり、あなたでは本質的には変えられません。
あなたからすると微妙な反応だったのだと思いますが、そこで「私に共感して欲しいです」や「それだけですか?」とは言えないと思いますので、割り切ることが必要かもしれません。
あなたを責め立てるような回答になってしまい申し訳ありませんが、我慢するというよりはあなたの場合は社会人マナーと割り切りが必要だと思われます。
クーラーの調整についても、その上司が社長には無断でクーラーをあなたの代わりに調整したのかどうかも、社内の暗黙知で調整したのかも分かりません。
本当のところは本人にしか分かりません。
あなたがどうにも我慢ならないのなら、別の上司に相談してみたり、自分に合う社風の会社に転職するという手段が必要となります。
アドラーは、大切なのは何が与えられたのかではなく、与えられたものをどう扱うのかが大切であるという言葉を残しました。
つまり、どんな職場なのかではなく、どう働くのかがあなたの場合には大切なのです。
ひとまず、職場ですので喧嘩になってはいけませんので別の上司や社長と相談して、Aさんという上司にどうして欲しいのかを言葉にして伝えてみましょう。
言葉にもしないで他人に自分の気持ちを分かって欲しいからと、ただ指示に背いているのでは泣いて母親に母乳を求めている乳児と同じような「甘え」になってしまいます。
アドラーは、感情で物事を訴えるのではなく、言葉で理論的に話し合うのが大人であると言っております。
言葉足らずのその上司も、あなたに対してこうあって欲しいという要望があるのだと思いますが、今の状況ではあなたもその上司に対してこうあって欲しいと思っており、あなたが腹を立てて話し合おうともしていないのでは解決するものも解決しなくなってしまいます。
忖度文化が日本にはありますが、人と人とは究極的には分かり合えませんし、大切なことは言葉を使って話し合わないといけません。