アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご掲載致します。
今回のお悩みは、過去のいじめの記憶が忘れては蘇り、苦しみが再現されてしまい辛いとのご相談です。
アドラーの視点から、過去のいじめの記憶をどのように克服し、幸せになる方法をご提案させて頂きました。
個人情報に関しましては、一部ぼかしを入れます。
あなたの悩みの解決に、本記事が役立ちましたら幸甚です。
Q1. ご相談
アドラー心理学サロン 様
こんにちは。初めまして。
年齢40前半
職業:年金暮らし
アドラー心理学サロン様、悩み相談かどうかわかりませんが、私のお話をどうか聞いてください。
私は高校2年の時、激しいいじめに遭いました。
理由は「性格・態度が悪いから」と。
でも、本当に性格・態度が悪いのは
いじめた奴らです。
「性格・態度を直せ」「言いたいことをはっきり言え!」「嫌なことは嫌だって言え!」、誘われた時に」行かないなら行かないと言え」というくせに言いたいことをはっきり言ったり、嫌なことを嫌だって断った時、「行かない」と断った時、いじめるのです。
私に「ウソつきだ!」と非難して、嘘をつくからといじめるのにいじめた奴らはウソをついたり、お金をだまし取ったのです。
リーダー格の女子は私を脅して嫌なことを強要して、後になって「そんなこと言ってない(やってない)。あれは冗談だ。」と誤魔化すのです。
その上、人をいじめた時、ウソをついた時、「お金貸して」と言った時、人をパシリにした時など自分が悪いことをしたことや自分がやったことをすべて私のせいにするのです。本当にずるいです。
あいつらは相手によって性格・態度などを変えたりしていたんです。
あいつらは「性格・態度が悪い」と理由につけていじめていたんです。
本当に性格・態度を直して欲しいのなら私が言いたいことをはっきり言った時、断った時いじめたりはしないです。
例えば誘われて「行かない」と断ったとき、他の人に対しては「あっいいよ」と笑顔で言って、私に対しては無視をしたんです。
Cとケンカした時、私に「Cと口きくな口きいたら友達やめる」と言ったんです。それだけではなく、KがCと仲良くしていたんです。「何でKがCと仲良くしてるの?」と聞いたらカッコKはスパイだ」と言ったのです。
スパイだと言うのはウソです。一緒にいるところを見た時スパイには見えず、ケンカする前と同じで仲良くしていたようにしか見えませんでした。私には口きくなと言って、口をきけは無視して、KがCと仲良くしても何もしないし、文句など何も言わなかったのです。
リーダー格を含めて他の仲間は「Cを怒ってる。Cヤダ。Cと友達やめる」と怒ってる割にはすごく落ち着いていて何も文句など言わないので、おかしいと思いました。仲間とのケンカはお芝居だと思いました。
「Cと仲直りしない。もうヤダから友達やめる。ウソじゃないホントだ」と言ったくせに結局仲直りしたのです。
その上、私は何の関係ないのに「Cとケンカになったのは私のせいだ」と言うのです。
はっきり言っていじめた奴が大っ嫌いで、今まで言えなかったことや思っていたこと、本音をぶちまけたかったけど、
「本音などを言ったらますますいじめられる」と思ってぶちまける勇気がありませんでした。
あいつらといたら自分がバカになるからと思い、自分からあいつらと縁を切りたかったのですが、自分の中で変化することを恐れて、縁を切る勇気がありませんでした。
あいつらも悔しいのですが、何もできなかった弱すぎる自分はもっと悔しすぎます。悔しくて悔しくてたまりませんでした。今でもです。
今でもあいつらが憎くいし、弱すぎる自分が悔しくてたまりません。
あいつらにいじめられたせいで、自分から友達を作ることが出来ず、自分を愛することができません。そして、楽な気持ちで素の自分をさらけ出すことができません。
高校卒業してからずっと友達がおりません。でも、旅行でベトナムに行った時は安心して素の自分をさらけ出せて、友達ができました。
いつもあいつらにいじめられた出来事の記憶が蘇り、考え、あの時のあいつらに言われたこと、あいつらに言えなかったことを独り言で言っています。
思い出しては忘れて、忘れてはまた思い出すの繰り返しで、あの時の出来事の記憶が背後霊のように付いてきます。
正直あいつらにいじめられた出来事の記憶に囚われて生きることに疲れました。
長いお話を聞いてくださってありがとうございます。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
ご相談ありがとうございます。
過去のいじめの記憶を引きずられ、今に至るまで苦しめられてきたとのことでお辛いですね…
ご詳細ないじめの内容までご丁寧にご記載頂きまして、ありがとうございます。
誰かに辛い過去の記憶の乗り越え方を相談しても、「そんなの忘れなよ!」や「思い出さないようにしな!」といったありきたりなアドバイスしか来ないことがほとんどです。
しかし、心理学的には忘れようとすればするほど、思い出さないようにすればするほどに記憶にはこびりついてしまいます。
どちらかというと、忘れようとしたり、思い出さないようにするというよりは、その嫌な記憶を受け入れてしまう方法を取った方が良いとされています。
それはいじめてきた人達を完全に許すことでも、仕方ないと諦めたり割り切ったりすることとは異なります。
アドラーの観点でお話しすると、少し厳しめの答えにはなりますが自分が幸せになれないのは、そのいじめの記憶があるからだとして、努力しても幸せになれなかったという現実に直面したくないという目的があるという考え方をしているので、その目的を変えましょうというのが答えになります。
ただ、これだけだと過去の影響が強いと納得して行動するまでいけない可能性があります。
そこで、もう一つの答えとしましては、「私が幸せになる為に過去にされたいじめの記憶が邪魔になっているから、私の為にお前達を一時的に許してやろう」
と、自分の為に加害者を一時的に許すという考え方です。
許すというと、いじめなら加害者を受け入れて、「仕方ないよね」や「もう気にしてないよ」と考えることのように思えて、シャクに触る人がほとんどではないでしょうか?
それなら、別に永久に許す必要はありませんので、自分のことに「今」集中する為にお前達を許してやるなんて考え方でも良いのです。
なりたい自分像を定めたり、どう生きていきたいのかを考えてみて、それに必要になるであろうことを逆算して考えて「今」何をしていくべきなのか目的を決めてみましょう。
そうすれば、前述のアドラーの考え方を応用することができ、目的に沿ってとにかく「今」幸せになる為にやれることに集中できるようになれます。
追記のようなお話ですが、本質的に過去を忘れたり、過去の辛かったことを受け入れるにはあなたが満たされている必要があります。
自分で自分の状態に満足できるようになっていないと、現実的には辛い過去を受け入れることは難しいと思います。
「辛いことがあったから、苦しんだから、今がある」
そう思えるのは、余程あなたが寛大な精神の持ち主でないと今の段階では難しいと思いますので、幸せになる努力を「今」必死にして、この「今」を幸せに向かっている途中なのだと楽しめれば必ずあなたの気持ちは満たされて辛かった過去を本当に忘れ去ることができると思います。