アドラー心理学サロンです。
あなたは過去にされた酷いことから、誰かを心底憎んで今も憎しみがおさまらず苦しんでいたりしませんか?
また、過去に経験した嫌なことが頭から離れず、今も辛い思いをされていませんか?
今回はそんなあなたに向けて、過去にあった嫌なこと、許せないほど憎い人を忘れる方法についてアドラーと脳科学の観点からご紹介させて頂きます。
一先ず、脳科学の知識をご紹介します。
怒っていると、アドレナリンという脳内物質が分泌されます。
恐怖や怒り、不安といった激しい感情を感じている時にアドレナリンは分泌されます。
アドレナリンという脳内物質は、強烈な記憶増強物質でもあります。
アドレナリンが適度に分泌されると、やる気が湧いたりして活動的になることもできるのですが、思い出したくもないようなことを鮮明に記憶に残してしまう原因にもなります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害) という精神疾患があります。
PTSDは、いわゆる過去のトラウマが現在に到るまでありありとよみがえってしまい、精神的に追い詰められてしまう病気です。
震災などの災害に見舞われてしまった人達は酷い恐怖に襲われている為、非常に多くの方がPTSDを発症します。
理由としましては、非常に多くのアドレナリンを分泌しており酷い出来事の記憶が深く脳裏に焼き付いてしまうことが原因です。
つまり、怒れば怒るほどにアドレナリンが出てしまい、許せない人は許せなくなってしまい、忘れたいことが忘れられなくなります。
要するに普段から怒らないようにすることが、嫌な出来事に苦しめられないようにする為には重要です。
アドラーは、感情には何らかの目的が存在しており、自分の目的を達成する為に意図的に使用している「道具」であるとしています。
目的論のアドラー心理学らしい考え方ですが、少し「ええっ!」と感じる人がいると思います。
言葉で伝えれば分かるようなことをわざわざ怒鳴ったりするということは、急にカッっとなったからではなく理論的に説明することを省こうと「怒り」という道具を使って、相手を「操作」する目的を実現しようとしたと、アドラーの観点では考えます。
つまり、普段から「怒り」を使うと後から嫌な記憶に襲われて辛くて苦しい思いをするのは自分だから控えようと考えて、できるだけ怒らないようにしておくことが大切なのです。
アドレナリンに対して反対の作用をもたらす脳内物質はエンドルフィンとなります。
エンドルフィンという脳内物質を分泌させることで、怒りや恐怖、不安を和らげることができます。
エンドルフィンを分泌させるには、「感謝」することが大切です。
以前より、当アドラー心理学サロンでは憎しみを感じたら自分の為に一時的にでも許しましょうとオススメしてきました。
嘘でもいいので、「ありがとう」と言葉にしたり、言葉にどうしてもできないのなら頭の中で「ありがとう」と考えるだけでも効果があります。
取り敢えず「ありがとう」と考えたり、言葉にしてみて、感謝できる理由を後付けで考えて、付け加えてみましょう。
たとえば、下記の考え方はいかがでしょうか?
「すごくムカつくし、憎しみが収まらないけれど、ここまで嫌な思いをすることはなかなか無いし、いい勉強になったよ。今度からお前みたいな奴には徹底的に警戒して、安易に信頼したりしないようにするいい教訓をくれてありがとう」
「今でも許せないくらい怒りが収まらないけど、お前みたいな奴を信じていたなんてバカみたいなこといつまでも続ける方がバカバカしいね。早めに裏切ってくれてありがとう」
こじつけ感を感じずにはいられない方もいらっしゃると思いますが(笑)
「自分が前を向いて、自分らしく自分の幸せを追求する為にお前を許してやる!」と考えられるようにしてしまえばどんなに憎い相手であっても許せるかもしれませんし、どんなに嫌な記憶であっても忘れることができるかもしれません。
一時的にでも偽りの感謝をして、あなたが前を見て前進できれば、あなた自身も成長することができます。
過去の嫌な出来事の捉え方が変わっていっていつか本当に忘れることができます。