アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れております。
今回のご相談は、長年のネガティブ思考によって、仕事に行けなくてなってしまい、どんな厳しい言葉をかけられても構わないから何とか助言をして欲しいとのお悩みです。
アドラー心理学の考え方と、一般心理学の手法から、ネガティブな感情への対処方法と、ネガティブ思考の癖を無くしていく方法についてご案内させて頂きました。
あなたの悩みの解決にも、本記事が少しでも役立つことができましたら幸いです。
Q1. ご相談
アドラー心理学サロン様
初めまして。
ツイッターでアドラー心理学サロン様のアカウントを知り、相談を受け付けておられるとのことでお話を聞いていただきたくご連絡致しました。
・年齢(年代でも可)
30代前半
・性別
女性
・職業
事務(受付)
・今後どうありたいのか
自信を持ち、何事も考え過ぎない
・ご相談内容
自分自身のネガティブな行動・言動
(詳細は下記にて記載させていただきました)
・問題だと思う点
答えのない悩みを考え過ぎている
【相談内容】
そよ風と申します。
自身の性格について悩んでおります。
私は元々内向的でネガティブな性格であり、若い頃もあまり友達もおらず今や0人です。
友人がいた学生時代やアルバイト先の人からは、年齢を重ねていけば自然とそのような性格もなくなってくると言われ、あまり悩まず成り行きに任せていこうと思い過ごしておりましたが、むしろ30代を迎えたのを期にますますネガティブな性格に拍車がかかるようになりました。
その為、他人と会話をする時もなかなか言葉が出てこなかったり、仕事に行くのが怖くなり、何日も行けない状態です。
外を歩いていても、前を向くのが不安で常に下を向いて歩いています。
私自身は単なる甘えであると思っておりますが、このままの状態が続くのはとても苦痛です。
お金を稼ぎたいのに稼ぐこともできず、不安や焦りが募るばかりです。
どんなお厳しいお言葉も真摯に受け止めますので、何か助言をいただけますと幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
A1. 回答
そよ風様
他人と話す時に言葉がなかなか出てこなかったり、仕事に行くのが怖くなってしまう人の特徴としましては、人間関係の中で傷付くことを過剰に恐れられていることが多いです。
ネガティブな性格をされているとのことですが、仕事に行く時や人と話す時にどのような恐怖を感じられていますか?
ご自身の感じられる恐怖の目的を知りましょう。
アドラー心理学では、如何なる感情にも何らかの目的があるとしています。
例えば、怒りという感情には他人を自分の思い通りに操作したい「支配」などの目的があることが非常に多いです。
あなたが日頃から感じられている恐怖の目的を知ることで、感情の目的自体を何らかの方法で達成させてしまえば解決できます。
感情自体は排泄物のようなものですので、対処をしてもしきれませんし、根本的な対処にはならないのです。
あまりこれまで自己分析をされてこなかったようですので、私のおすすめは感情日記を書くことです。
ご自身の感じられていることをありのまま、紙に書き出して整理してみましょう。頭の中だけでごちゃごちゃと考えているだけでは、悩み事や困り事が無限にあるように感じてしまいますが、実は手のひらで数えるよりも少なかったりすることも多いのです。
自分の感情を紙に勝ちだす行為は、古典的でいてあまりにも簡素な方法なので、効果に疑問を持たれる方は非常に多いのですが、心理療法として確立されており「エクスプレッシブ・ライティング」という名前で多くの心療内科や精神科でも導入されている信頼性の高い治療なのです。
一度思い切り殴り書きでもいいので紙に書き出して、その後は自分がいつ、どんな時にどんな気分になるのかを記録するようにして、自分の感情の傾向を知りましょう。
そうすることで、ネガティブになりそうな状況を避けられるようにもなりますので、自然とネガティブな性格も改善されていきます。
先ずは、ご自身のことをネガティブで甘えた人間だなどとネガティブに表現することをやめましょう(笑)
言葉には言霊があるとされており、言動と思考を一致させようとする性質である「認知的不協和」によって、頭で思うだけでも言葉によって自分をネガティブに縛り付けてしまうものです。
「私は大丈夫!」
「私ならできる!」
と、根拠も自信も無くても、毎日ご自身に朝起きた時、夜寝る前、日中と複数回声に出して言い聞かせてしまいましょう。
これだけでも相当な効果があります。
他人からどう思われるのか、他人から何て言われるのかが怖いということでしたら、アドラーの提唱する課題の分離を心がけましょう。
他人が自分をどう思うのかは、他人の課題であって自分の課題ではないのです。考え方を変えてもらおうとすることはできても、実際にどうするのかは他人の課題ですのでどうにもならないのです。
また、他人にも自分の課題に介入させないようにしましょう。
他人と自分をしっかりと区別して、私は私、あなたはあなた、と認識しておくことが人付き合いで疲れないように、過度にストレスを溜め込まないようにするコツなのです。
あなたには、あなたの人生があり、存在意義があります。他人からどう思われようと、あなたが良ければそれでいいのです。
お辛い時期だとは思いますが、頑張って下さい。