アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を、お悩み事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れて細心の注意を払っています。
今回のご相談は、友達や親、彼氏が自分には信じられないようなことをする為に心を乱されてストレスを感じてしまうとのお悩みです。
アドラー心理学の観点から、他人が何であろうと、自分の心を自分で支配して、自分の幸せを掴み取る方法について解説させて頂きました。
あなたの悩みの解決にも、本記事が少しでも役立てましたら幸甚です。
Q1. ご相談
友人から、悩み相談にのっていただけるということを聞き、メールさせていただきました。長文になりますが、よろしくお願い致します。
・年齢(20代)
・性別(女)
・職業(学生/大学4年生)
・今後どうありたいのか
→ストレスを抱えても、上手く解消しつつ、将来就くであろう就職先での仕事・恋愛も両立したい。と考えています。
・ご相談内容
→ストレスの解消方法として、何か良い方法・自分がどう振る舞うべきか等アドバイスを頂けたらと思います。
ストレスの原因として
・大学で講義を一緒に受けている友人
・両親
・彼氏(年上・経営者兼塾講師)
① 友人
私は、現在就職活動中であり、また大学での単位をまだ取り残している状況で、週六で大学に通っています。そんな中で友人は、ひと足早く就活を終えており、資格の勉強に励んでいます。
彼女は、単位の取り残しは、私より圧倒的に多いにもかかわらず、資格の勉強・タロット占いに夢中になっており、それを見ていてなんだか複雑な気持ちです。
私はまだ就職先も決まっていないので、焦るばかりであり、何度か相談しましたが、「わたしも辛かった」「わたしでさえ決まったんだから大丈夫」等アドバイスにならないような答えが返ってきます。
それも仕方がないことかと思いますが、先日、両親から現在進行形で続けているアルバイト(週三のシフト制)を辞めるよう叱られました。そのことを彼女に相談しましたが、「わたしも10連勤当たり前だったけれど、就活で休んでいたから辛い」というような、まるでマウントと取れるような答えが返ってきて、少し腹が立ちました。
また、彼女は他人を悪くいうことが多く、少し彼女のものや身体に触れてしまっただけでも、すぐ舌打ちをし、周りにも聞こえるような声で「ブス」「人権がない」など、酷いことを言います。隣に居る私は、恥ずかしくてしょうがありません。
何度も注意をしているのですが、一向に直る気配がなく…。しかし、彼女と距離を置こうという考えはありません。
② 両親
前述の通り、就活が上手くいっていないことに対して過度の圧力のようなものをかけてきます。「就職先なんてすぐに決まると思っていた」「お前には魅力がない」等、毎日言われ続け、もはや言われ慣れてしまいました。
心配してくれることは大変有難いことで、また申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、いつまでメンタルを保つことが出来るか分かりません。
③ 彼氏
①.②のような悩みを一番聞いて欲しい人に聞いてもらえないことです。彼とは遠距離恋愛であり、今月で5ヶ月目に突入しました。彼は、経営者であり塾講師でもあります。
社員と生徒の面倒を見てあげないといけないし、生徒に関しては、生徒の将来を預かっていることになります。毎日仕事に追われていて、私の話も聞いて欲しい、と言えない状況です。
また、彼は現在同じ職場で働いている社員と同居しており、本当に辛くて話を聞いて欲しいときでも電話をすることが難しい環境にいます。というのも、その同居人は私の知り合いであり、且つ私に好意を寄せている人です。
もちろん同居人は、彼と私が付き合っていることなど知らず、(彼は、同居人が私に好意を寄せていることを知っていますが、同居人は、彼が私に好意を寄せていて、ましてや付き合っているなんてことは知りません。)このような複雑なわけがあり、少しの空き時間でも電話することが難しい環境です。
私は彼に何度も打ち明けたら、と提案していますが、「同居人の仕事に影響が出たらまずいから、1年待って。」と言われてしまいます。
ところが、その同居人は私たちのことを何も打ち明けていなくても、仕事でミスばかりをし、その後処理は全部経営者である彼に回ってきてしまい、余計に私との時間が奪われているような気がします。また、塾講師のほうでも色々問題があるらしく、生徒の精神面などをサポートしなければならず、また、私との時間が無くなっていく一方です。
私との時間なんて、ほんの数秒(LINEのやり取りのみで、夜中に仕事から帰ってくる途中の「今帰るところ」というLINEをもらうのみ)であり、そんなこんなで5ヶ月間耐えてきましたが、いつか我慢が爆発してしまいそうです。だからといって、彼が嫌いだとか別れたいだとかそういう気持ちはありません。
・問題だと思う点
→・自分の周りの環境の悪さ
・自分のメンタルの弱さ
長文失礼致しました。読んでいただきありがとうございます。アドバイス等頂けたら幸いです。よろしくお願いします。
A1. 回答
あなたはとても聡明な人でいて、思い遣りのある優しい性格をされているのだと思います。
だからこそ、他人の不親切や人として道理に合わない行動を見て不快感を強く感じたり、憤りを覚えるのでしょう。
今回のあなたからのご相談は、論点が複数個にも及ぶ為、ざっとくりとした回答になってしまいますが、簡単に申し上げますと真面目に物事を考え過ぎないようにすることをお勧めします。
世の中、白か黒かで割り切れることはなく、どんなに聖人君子のように出来た人間に見えても、それはあなたが知るに至ったほんの一部でしかなく、人は自分の本性をあまり人前には出さないものです。
あなたも、意識するしないに関わらず、人には表面はマナーとして礼儀正しくしたり、良い印象を持たせるようにするものです。
アドラー心理学では過度な承認欲求を持つことは、自分の人生ではなく他人の価値観に従った、他人の人生を生きることになってしまうとして強く批判しました。
しかし、承認欲求と言う程でなくても、賢く生きていく為には、ある程度の他人が自分に抱く印象を操作することも大切なことです。
こうしたいわゆる「社交辞令」のやり方は、悪気があるのか無いのかに関わらずに、人によって異なります。
ある人に対しては冷たく、ある人には温かく対応するなんて良くあることです。
何が正しくて、なが間違っているのかにこだわらず、自分はどうして生きたいのか?という視点をしっかりと確立させましょう。
世界はあるがままに存在して、あるがままに動いています。
必要以上に世の中に流されて自分の心をかき乱すのではなく、自分が世の中にどんな意味付けを与えるのか、自分の中の定義を明確にしてみましょう。
心理学者であるアドラーは、世界には客観的な事実は存在せずに、全ては自分の主観によって作り出された空想でしかないといった言葉があります。
結局のところ、あなたも含めて私もみんな、自分の知ることしか知りませんし、知ろうと思えること、知れる環境にあること以外は知ることができず、人間の認知能力や論理的思考にも限界があるのです。
大切なのは、あなたの気持ち次第であり、他人のことは変えられないと自分と他人を区別することです。
他人のあり方は、変えようとあなたから働きかけたりすることはできても、最終的には本人が決める課題です。
変えられない他人に振り回されず、他人や周りの人間が何であろうと自分のやりたいこと、自分がありたい姿を目指して、自分にできることをやるしかありません。
人間の食欲や睡眠欲などの生存本能に関わる欲望の内、もっとも強大なものは「コントロール欲」です。
自分で自分の人生を支配して、自分のやりたいことを自分で決めている自己効力感を得ることが、ストレスを軽減する最強の方法なのです。
変えられない他人や過去に悩まされず、これから自分がどうしていきたいのか、それに向けて自分にできることを見つけてどんどん行動に移しましょう。
自然と自分で自分をコントロールできるようになり、ストレスが無くなります。