アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を、お悩み事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れて細心の注意を払っています。
今回のご相談は、今まで自分を傷付けてきた母親との関係を見直そうとしても、過去の記憶から恐怖で話せなくなってしまうとのご相談です。
アドラー心理学の観点から、親との関係性の考え方と、親と自分をどのように区別するべきなのかを回答させて頂きました。
あなたの悩みの解決にも、本記事が少しでも役立てましたら幸甚です。
Q1. ご相談
初めまして。
海外に住む20代後半の女です。
親との関係について相談させてください。
私は母親から怒られることが多く、10代の頃は心配をかけた、約束を破ったなどという理由で長時間の説教、暴力がありました。私はその度に泣いて詫びていたので、今でも母親の大きな声を聞くだけで泣きそうになります。(怒っていなくても)
過干渉気味で心配になると大きくなる母親の声を聞きたくなくて、話さないようにしていたため、私が海外に暮らしていることも知りません。
現在、結婚を考えていることもあって、「課題の分離」を踏まえて母親と話をし関係を良くしたいと考えているのですが、いざ話そうとすると泣きそうになり声が出てきません。喉の奥がキューと詰まる感じで声の代わりに涙が出てしまいます。
どうすればいいでしょうか?
アドバイスお願いします。
A1. 回答
苦い思い出のある人との関係性を良好にしようとしたり、良いものであるべきなのだとべき論に捕らわれてしまうと、人はプレッシャーに耐えられなくなります。
結婚を機にお母様との関係を見直したいとお考えのようですが、それはあなたが本当に望み、過去を乗り越えていこうという意志から来るものですか?
もし、そうでないのなら、無難に付き合っておくか縁を切るようにしても良いでしょう。
アドラー心理学では、「親をどれだけ悲しませてもそんなことは関係無い」という考え方があります。
親がどう思うのかを気にしてしまうような、日本には血縁関係を重んじる封建制度の名残のような考え方が強く根付いておりますが、そんなことはどうだっていいのです。
洋の東西も時代も問わず、生まれた時から身近にいて、特別な関係性にある家族と関係を断ち切るかどうか、どんな関係を持つべきなのかは悩ましい問題です。
ただ、あなたのように疎遠にしたいくらい辛い思い出のある親との関係を、無意味に義務感から「親とは良好な関係であるべきだ!」などと考えてしまうのはよろしくありません。
大切なのは、あなたがどうしたいのかです。
親であっても身近な他人であり、遺伝子を引き継いでいたり、血縁関係にあっても全く別の人間です。
自分と家族を同一視するのではなく、親は自分を育ててくれた人であり、兄弟姉妹は同じ親から生まれてきた人なのです。
身近な人だからといって、自分を犠牲にしてまで家族に尽くしたり、家族を幸せにしようとしたり、世間のしきたりに合わせて良い関係を持とうとするのは間違っています。
まずは無難に親子関係を保つことくらいはできそうなのか、自分で自分を検証してみましょう。