心を病んでいる人は自分が変わるしかないと分かっていても、心のどこかで自分に合わせて自分の周りが変わってくれることを期待しすぎている傾向があります。
「救い」を期待するのではなく、自分から変わろうと決心をして、変わるための努力をする必要があります。
本記事を読まれているあなたも、下記のような言葉を何度か耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「周りが変わってくれることを待つんじゃなくて、自分が変わるしかない」
「自分に合わせて周りが変わってくれることを期待しない方がいい」
世の中には良い人もいれば悪い人もいるし、良いこともあれば嫌なこともある。
当たり前なようですが、みんな同じ世界に住んでいるのに、なぜ人によってこんなにも違う人生があるのか不思議に思ったことはありませんか?
単純な話として、それはあなたがどのように世界を見ているのかによって決まります。
もちろん、生まれ持った条件である家庭環境や育った環境からの影響はありますが、これは単なる「影響」に過ぎませんし、今のあなたの「原因」にはなりません。
同じような境遇で育った人がいたとしても、まったく同じ人間になるとは限らないのですから、当たり前と言えば当たり前な話ですが灯台下暗しと言いますか、見落とされがちなポイントですね。
アドラー心理学ではトラウマの存在を否定してはいるものの、過去が原因にならないとしているだけであって、過去からの影響の存在についてはしっかりと言及があります。
岸見一郎氏の名著である「嫌われる勇気」にも、過去からの影響については明示されています。
どうしても多くの人は感覚的に印象に残る箇所だけを記憶して、それ以外は排除してしまう性質があるので、この「原因」と「影響」に関しての誤解は残念でなりません。
これを読んでいるあなたが、同じようにまた誤解をしないことを切に願います。
さて、少し話しがずれてしまいましたが、本題に戻りますね。
世の中の良い面を見るようにしましょう。
すると、不思議なことに自然と世界は優しいものに自然と変わっていきます。
自分の外側にある他人や環境に期待してばかりいたら、いつまでも自分にはコントロールできない生まれ持った「宿命」のような非科学的でよくわからないものに振り回されるばかりです。
もし、あなたが今の自分を満足できていないとしたら、不幸な生い立ちであったり、不幸な出来事に見舞われたりした人である可能性が高いことでしょう。
そんな「宿命」は、自分の意思で自分を律することでいくらでも乗り越えることができます。
自分が思う幸せを手に入れて、幸せに生きたいのなら、自分が変わるしかありません。
自分の外側にある環境や他人が、自分に合わせて変わってくれることは偶然に過ぎません。
生きていれば良いことも悪いことも偶然的に起きてくるものですが、自分ではコントロールできない偶然ではなく、自分で変えられる必然を生み出していきましょう。
時に人事を尽くして天命を待つかのごとく、神頼みのような偶然を祈る必要も出てくることでしょう。
しかし、自分に変えられることに集中して、やれることをやり切るようにすれば、ある程度は幸運を必然的に起こすこともできるようになりますし、宿命に抗って別の人生を切り開くことも可能です。
「あれがないこれがない」とか、「あれヤダこれやだ」言っていてもどうにもなりません。
とりあえず今あるものに感謝まではできなくても、そういうものだと受け入れて、今の自分にできることを最大限に努力しましょう。
どんな人間も共通しているのが、今の自分にできることしかできないし、やれるところまでしかやれないことです。
アドラー心理学の「今を最大限に前向きに生きる」ことだけが、人が幸せに生きる為にできることなのです。
やりたいけどできない、間違えたくないとばかり考えて、「過去の嫌なこと」を理由にして目の前の課題から逃げているばかりでは、何も変わりません。
これこそがアドラー心理学の目的論です。
今よりも1秒でも先の未来の目的によって、今のあなたのあり方は決まるのです。
ここで言う未来とは、遠く先にあるもののことではなく、今よりも1秒でも先のことなのです。
今を生きて少しずつでも自分の置かれている状況が変われば、自分の心も変わりますし、あなたは必ず幸せになっていけるのです。
今のつらい経験は、これからのより大きな幸せの為に起きているのです。
幸せになることをあきらめないでください。
大丈夫、なるようになりますからね。