アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を、お悩み事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れて細心の注意を払っています。
今回のご相談は役者をされている方から承認欲求を持つことをアドラーは否定しているが、職業柄どうしても気にしなければならないジレンマをどうすればいいのかとのお悩みです。
アドラー心理学の観点では、「過度な承認欲求を持つと他人の顔色をうかがってしまい、自分らしく自分の人生を生きることができずに、他人の人生を生きることになってしまう」として、心理学者アドラーは「承認欲求の否定」を提唱しております。
ただ、それは人それぞれ、状況次第でもあります。
あなたの悩みの解決にも、本記事が少しでも役立てましたら幸甚です。
Q1. ご相談
役者という仕事は、人気商売です。
観客からの人気、事務所からの人気など、周りの人間から気に入られていなければ生きていけません。
アドラー心理学では承認欲求を否定しますが、役者として生きていく以上、どうしたって周りの人間の評価を気にしなくてはならないと感じます。
このジレンマはどうすれば良いのでしょうか。
A1. 回答
私のブログはご覧になられてますか?
承認欲求の取り扱い方や考え方、これまでのご相談事例が豊富に記事にしてありますので、是非ご覧下さい。
アドラー心理学を世に広めるきっかけとなった岸見一郎氏の「嫌われる勇気」にて一躍有名になったアドラーの「承認欲求の否定」ですが、これはもうあなた次第としか言えません。
何故かと申しますと、アドラーは「過度な承認欲求」を持つことを否定しているのです。
つまり、承認欲求を完全に無くすことは不可能であることを前提としている背景が「承認欲求の否定」の考え方にはあるのです。
なので、線引きは自分で見出すしかありませんし、アドラー心理学の理論としても明確に「ここからここまでですよ!」とは区別されていません。
完璧主義な人であったり、心を悩める人は誰かに答えを求めてしまいがちですが、いつでも答えは自分で見つけるものであり、他人はあなたの援助までしかできません。
私の考え方で言うと「役者としての課題」と「自分の課題」を区別するべきなのではないかと思います。
例えばなのですが、たまに勘違いされたお母さんに良くある相談なのですが「子供が言うことを聞かず、勉強もしないで困っていますが、これは本人の課題として割り切って接するべきですか?」と質問を受けることがあります。
「あなたがどうなるのかは、あなたの課題だから知りません」というのは、単なる育児放棄ですよね?
「親としての課題」を放棄してもいけませんし、過度に子供に干渉して本人の課題に介入をしてもいけません。
そうなると、「伝え方に気をつける」、「中学生くらいまではある程度厳しくする」など、自分に可能な条件や環境の中で対処をしていく必要があります。
あなたのお悩みも、同じように具体的な対処をご自分で検討して試行錯誤する必要があります。
抽象と具体は必ず一致するような単純なものではありません。
世の中、白黒はっきりと区別できることの方が少数派なのです。
白と黒の中間色であるグレーを含めて受け入れて、自分なりの人生を生きることが大切です。