アドラー心理学サロンです。
今回は、自分の力ではどうにもならないことや、不確実で先の見えない未来を受け入れていく方法をご説明します。
人生、自分の思い通りに行くことはやはり少なく、理想と現実のギャップで苦しむ方も多く、心を患う方も少なくありません。
そんな人達へ、少しでも希望を持って幸福になる道筋をご紹介することができましたら望外の喜びです。
どうしようもないことを受け入れる
マイナス思考に陥り、長い間負のループから抜け出すことができない人の特徴は、変えられることと、変えられないことを区別できずに、自分の意のままに何でも変えられるように願い悩み続けております。
残念ながら、過去の出来事や失敗、親や上司といった他人を変えることはできません。
変えられない、どうにもならないことにエネルギーを消耗しても何の意味もありません。
多少の災難や不運、人間関係の問題などは人生の調味料として割り切ってしまいましょう。
嫌なことが存在するからこそ、その対比となる良いことが存在するのです。
自分の人生の中で出会うべくして、経験するべくして出会い、経験していると捉えることで現実と向かい合うことができます。
つまりは、自分ではどうしようもないことを受け入れつつ、できることを見つけて集中していくことこそがストレスに強くなる最高の対策なのです。
人生の中では、これは幸運だと思っていても、不運になったり、これは不運だと思っていても、幸運になったりといったことは頻発します。
アドラー心理学では、今、自分の見ている世界は自分が与えた意味付けを通してのみ存在する主観的なものであり、他人とは共有することはできない客観的なものであるとしています。
自分の中でその主観的な意味付けを変えることでどうにでも見える世界を変えることができます。
自分の人生が幸福であったかどうかは死ぬ直前まで分かることは無いのです。
ひたすらに「できること」に集中しましょう。
制約のある環境を受け入れる
世の中、自分の思い通りになることの方が、思い通りになることよりも少ないものです。
サラリーマンをされている方は、満員電車に揺らされ、定型的な事務作業、話の分からない上司や先輩、理不尽な命令に晒され、主婦の方でも面倒な地域の行事、言う事を聞かない子供、休む間もない家事に襲われ、これが自分の人生なのか?と疑問を持つことも多いことでしょう。
たしかに、世の中には自分で選択できない事をする必要もありますが、与えられた制約の中で自分がどのような成果を出すのか、その中で最高の結果を出そうと努力することが幸福に繋がります。
天気や季節は自分ではコントロールできないこの世の制約条件です。
しかし、制約条件として受け入れているからこそ割り切ってその中で折り畳み傘を鞄に入れておく、天気予報を見るなどの対策をそこまでネガティブにならず前向きにとることができるのではないでしょうか?
制約があるからこそ、前に進むための知恵が絞れるものなのです。
どうにもならないのなら、それを運命として捉えて精一杯「今」を生きるのです。
予測できない未来を楽しむ
ドラマや映画、漫画などで先の展開を事前に知っていたら面白くありませんよね?
あなたの人生もそれと同じです。
未来に何が起こるのか、何があるのかを先に知ってしまうと、途端に人生は何の面白味もなくなってしまいます。
この先に何があっても、サーフィンの波乗りのように楽しんでいこうとする考え方や姿勢を持つことは、幸福な人生を生きることに繋がります。
マイナス思考から早い段階で抜け出せる方は、どんなことが起きても成るように成ると考えて適応する柔軟性を持っています。
無計画にその日暮らしをしていく事を推奨するつもりは毛頭ありませんが、どんなことにも良い面と悪い面が大なり小なりあるものです。
ある程度未来の不安定性を楽しむ心の余裕を持っているとより多くのチャンスに恵まれることにもなります。
アドラー心理学では、人生を山登りのように考え、頂に登頂することだけが人生であるとは考えず、その途上である「今、この時」こそが人生であると考えます。
この「今」をどんなことがあっても精一杯努力して楽しんで、山登りの途上を堪能してしまいましょう。
試練を覚悟する
ほとんどの人には必ず何かしらの不運や試練がやってきます。
これは避けようがないことであり、受け入れるしかありません。
この不運や試練の受け入れ方と考え方、捉え方次第で、ストレスは大きく変わります。
自分の決めた人生でやってくる試練は、運命であり、苦難の時こそ知恵を絞って大きく成長するチャンスや成功の種があるものです。
事前に試練を覚悟して、常に強い自分でいられるように日頃から心構えをしておきましょう。
本記事にて、少しでも心を楽にして人生を楽しめるようになって頂けることを祈ります。