アドラー心理学サロンです。
親子の関係は、年を追うごとにどんどん複雑化していきます。
特に思春期や、親に介護が必要になってからは関係性に悩むことも多くなることでしょう。
昨今、介護している実の親を殺害してしまうような悲しい事件も発生しており、認知症を発症したり介護をするにしても大変な手間が発生するようになると特に親子関係に亀裂が入りやすくなってしまうようです。
そこで本記事では、アドラー心理学を基に親子関係を見直すための考え方をご紹介させていただきます。
先の記事であるありのまま親を受け入れる - アドラー心理学サロンにて、下記の3点がアドラー心理学では、自立した本当の意味での大人には必要であることをご紹介しました。
・承認欲求を否定し、自分の価値を自分で決める。
・自分と他者の課題を分離し、自分で自分の行うべきことを決める。
・世界の中心になるのではなく、主役になる。
他者からの評価・承認を必要とせず、自分と親の課題を明確に区別し、親も自分もお互いの要求・期待を満たす為に生きている訳ではないという考え方が、ありのままの親を受け入れることには不可欠です。
この考え方が定着していれば、親を理想像からの引き算ではなく、ゼロからの足し算でその存在を認識することもできるようになります。
あなたがこの世に生を受けた時、幼少期には親は何にも変えられない掛け替えのない存在だったことでしょう。
その状態からの足し算形式で、親との関係をあなたの中で再構築し直すことで、あなたが上記の通りの大人になっていれば決してゼロになることなくプラスになるはずです。
ありのまま親を見ることは、親を尊敬することにもつながります。
無力となった親を「可哀想」と感じたり、何かができた時に褒める行為には、上から目線の感傷であり尊敬してはおりません。
介護をしていると、親が日常生活でも自分できることが少なくなってきて、目を逸らしたくなる事も少なくないでしょう。
そんな時には、無くなったものや「できなくなったこと」ではなく、「できること」に注目してみましょう。
親が自力でできるのにも関わらず、やろうとしないことは親の意思という課題であり、介入することはできません。
親が自分で決めた選択であると受け入れてしまいましょう。
かつての「健康であった親」や「理想の親」の姿と比較して引き算してしまうようなことは止め、いま目の前にいる親をゼロからの足し算でしっかりと受け止めましょう。
親子関係は、多くのパターンで複雑であり、世間一般の良い親子関係の方が圧倒的に少ないことでしょう。
親子は、子にとっては最初の他人であり、自立するまでの間は親の保護を受けて成長します。
その為、親子はお互いに存在を同一視してしまう傾向が強く、距離感が成長とともに掴めなくなってしまうことも多々あります。
自立した大人になり、親との関係を常に「理想像」からの引き算ではなく、ゼロからの足し算で自分の中で構築・修正をしていくよう心がけましょう。