アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、ぼかしを入れますが、皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
※個人情報の保護の観点から、回答文に失礼な表現が含まれますが、実際の言葉遣いとは異なります。
Q1. ご相談
小6になる娘が小1の時から万引き、人のものを盗む、親の財布からお金を盗むなどの行為をして、怒っても、はなしをしても、抱き締めても…いっこうに続くばかりで
悩んでいます。
学校や行政、児童相談所など相談しましたがどこもお母さんが仕事をセーブして
子供との時間を作りなさいしか言われませんでした。
母子家庭なので仕事をセーブしたら
生活出来ないし、仕事は正社員で不規則勤務ですが、子供との時間は短くても密にしています。話をすると言うよりは二人で漫才みたいな感じですが。
子供は表出することが苦手なので
交換ノートを、作ってみましたが娘は書いてくれませんでした。
何かいいアドバイス頂きたくメール致しました。
どうかよろしくお願いします。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
それは悩ましいですね。
恐らくPeingでもご相談頂いた方だとは思うので、同じ内容の繰り返しになってしまうかもしれませんが、しっかりとした対話が必要だと思われます。
この対話というものは、単にお話をすることでも慰めたり怒ったりすることでもなく、非行の原因を正確に突き止めて、的確に対処するために行います。
なぜ万引きをするのか?、なぜ人のものを盗むのか?、なぜ親の財布からお金を盗むのかを憶測ではなく明確にお嬢様から聴き出しましょう。
原因を正確に把握できていないと、何の対処も取ることはできません。
一例をあげますと、とある親子がいました。
お母さんと小学生の息子さんです。
息子さんが学校に行きたくないと言い出し、お母さんは困り果てておりました。
お父さんはあまり教育に関心が無く、気にかけてもくれないとのこと。
お母さんは息子さんと何度も長時間に渡り話をしておりましたが、一向に話がまとまりません。
お母さんは、息子さんが学校に行けない原因を、もともと人間関係が上手ではなく誰とでも仲良くできないのが原因だとのこと。
そこで、息子さんに直接こう聞きました。
「なんで学校に行きたくないの?何かあったのかな?」
すると、サッカーでミスをしてみんなに笑われたから行きたくないとのこと。
そこでこう聞きました。
「ミスをした時にはどう感じたの?もうみんなが笑わないなら学校に行ける?」
すると、笑われてバカにされて悔しかった、もうバカにされないなら行けるとのこと
つまり、人間関係の問題というお母さんの話は確かに間違いではありませんでしたが、「サッカーでのミスでバカにされて悔しかった、こんな思いはしたくない」これが本当の原因でした。
そこで、こう言いました。
「でもこのまま学校を休んだら、勉強も他のことも遅れてもっと悔しいことが増えちゃうんじゃない?、最初から上手な人はいないし、何でも悔しい思いをしないと上手くなれないんだよ」
息子さんは翌日からお母さんの付き添いで学校に行けるようになりました。
こちらの事例では、お母さんは感情的になってしまいしっかりと話を理解することなく思い込みに捕われて原因を正確に聞き出したり理解したりすることができない状態でした。
しっかりと息子さんの話を聞いてあげてください、しっかりと息子さんと向き合ってくださいという話も、「私が息子のことを思いやっていないとでも言うんですか!?」と少々錯乱気味でした。
ご質問者様の場合でも、しっかりと耳を傾けて理由、背景を聞いてみましょう。
可能なら天気の良い午前中に時間を取って話し合ってみましょう。
天気が良い午前中は、冷静な会話には適したタイミングです。
感情的に相手のことを感じ取ったり、共感したりすることは相手の気持ちを宥める一時的な効果はあっても根本的な解決にはなりません。
感じるのではなく理解する、共感するのではなく対処するを心がけてみましょう。
恐らくは、何らかの注目を浴びようとしているのではないかと思われます。
人は生まれながらに劣等感を持つものであるとアドラーは言いますが、まさに不健全な劣等感のごまかし行為である可能性が考えられます。
愛情を注ぎながらも、しっかりと健全に勉強でも運動でも努力できるよう勇気を持たせてあげるようにすることも大切です。
こうした劣等感、勇気づけについての考え方は、私のブログもぜひご参照ください。
なかなか本音を聞き出せないこともあるかもしれませんが、辛抱強く質問を変えてみたりしながら対話してみましょう。