アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
今回は、人との会話についてのお悩みです。
人から話しかけてもらえないと、自分からはなかなか話せない方や、複数人での会話で何を話せば良いのか分からなくなってしまうことについて、アドラー心理学の観点からご相談に乗らせて頂きました。
複数人での会話や、自分から話すことができないと、職場の輪に入るのが難しくて働きにくくなったりと辛い思いをしてしまうこともあると思われます。
こうしたお悩みは、話し方を練習したりする以前の根底に原因があります。
どう対処していくべきなのか、是非みなさんの参考になれれば望外の喜びです。
個人情報に関しましては、ぼかしを入れますが、皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
Q1. ご相談
20代女性
新社会人で病院の事務をやっています。
長文になってしまいましたが、思い悩んでいるので返信を下さると嬉しいです。
職場は病院で事務員は60人ほどいるのですが、4月に入職してから先輩とほとんど会話をしないで生活してきたので誰とも会話ができなくなりました。
話しかけてもらえないと会話に入れないです。
会話は全くしないのに電話は鳴った瞬間に即座にとる事や、人とすれ違うたびに挨拶だけは絶対する事や、会話に全く入れないのに人から話しかけてもらえた時だけはハキハキと話すので「普段は人の顔を見ないで全く会話にも入ってこないのに、挨拶だけはすれ違うたびに毎回してきて電話も秒でとる」という風な陰口を叩かれてるのと、自分でも実際そう思います。
一日中誰とも会話ができなくても、同じ部署の主任だけは気を使って話しかけてくれたり優しくしてくれて大好きでした。
しかし仕事部屋の中で他の人達が複数で楽しく会話をしていても全く会話に入れなくて、主任に話しかけてもらえても「大丈夫です」「わかりました」の二言しか発していなかったらついに主任にも嫌われました、当然です。
仕事部屋では「大丈夫です」「わかりました」しか言えない機械のようになっている事や、話しかけられても何も言わずに笑ってごまかす事しかできないのが今とても悩みです。
私はバンドが好きなのですがライブなどで会う初対面の人とは笑顔でハキハキ喋れます。
他の人が悪口を言われてるのが全部聞こえていたので、自分は嫌われたくないと思って今までコピー機補充やゴミ捨てなどを率先して行っていましたが、誰とも会話をしないのにこんな事ばかり率先してても変だな、とふと思って今日から開き直って何もしなかったら「あいつ今日何も手伝わないじゃん」っという風に顔を見合わせて笑われました。
今の部署に来てもうすぐ1年ですが、未だに1人じゃ何にもできなくて電話なども隣で先輩に助言してもらわないと何もできません。
さらにいつも質問している先輩はもうすぐ辞めてしまいます、味方ゼロになってしまいます。
もう普通が分からなくて、歩き方さえもよく分からないし、人とすれ違う時の視線なども分からなくなってしまいました。
人と普通に会話ができるようになりたいです。
今まで1年間、会話をせずに生活してきてしまったので今更話しかける事に躊躇してしまいます。
話しかけるとしても仕事部屋以外で会った時や一対一の時だけで、部屋に複数人いる時は会話に全く入れません。
仕事内容ならまだ話せますが、世間話が全くできません。
友達と呼べる人間は1人しかいなく、高校時代の同級生なのですがその子とは楽しく話せます。
長文すぎて申し訳ないですがメールを送らせて頂きます、、!
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
ご相談ありがとうございます。
2人だけの会話なら問題無いが、複数人での会話が苦手で、会話の輪に入れないというお悩みを持つ方はとても多くいらっしゃいます。
みんなとの会話に入れないと、孤立感と普段の振る舞い方も分からなくなって辛いですよね。。。
先ず、1対1の会話と複数名での会話の違いについて確認しておきましょう。
1対1の会話ではあなたがいないと会話として成立しませんが、そこにもう1人2人入ってくるとあなたがいなくても会話自体は成立します。
相手主体で、会話の際に相手の求めていることを基点として話しているタイプの人は、1対1の会話はとてもスムーズにできますが、複数名になると相手がどんな人なのか、どんなことが好きなのかを理解しようとしてもなかなか難しく、何を話せば良いのか分からなくなってしまう傾向があります。
こちらの傾向は、人から話しかけてもらえないと会話が続かない人にもよく見られます。
あなたの場合は、相手に合わせて話をすることは得意でも、自分の考えや自分の経験などを発信していくことに抵抗があるのかもしれません。
また、初対面の人との会話には、笑顔でハキハキと話すことができるということ、また話しかけられないと自分から話せないとのことでしたが、この2点から認めてもらいたい承認欲求から来るプライドの高さと、その反対に自分の話をすることに抵抗があり、相手の好きな話題を選ぼうとし過ぎて気を遣いすぎてしまい、何を話せば良いのか分からなくなってしまっているのかもしれません。
アドラー心理学では、承認欲求を強く持つことは、自分ではなく他人の求めるがままに振る舞い、他人に依存して自分らしさを出せない状態に苦しむことになりがちなことから否定的です。
他人からどう思われるのかどうかも、アドラーの課題の分離という考え方で他人が自分をどう思うのかは他人の課題、よく見せることはできてもそもそも他人の捉え方なんて変えられないんだと割り切っておくことが大切です。
この2つのアドラー心理学の考え方を基点として、普段から自分自身と向かい合って、人に話したいと思えることをピックアップしては1対1の会話でも少しずつ発信していくのはいかがでしょうか?
それに、案外あなたがどんな話をしても、1対1でも複数名での会話であっても、そんなに覚えてもなければ興味を持たれることもありません。人ってそもそも自分にしか興味が無いのです。
人が他人をネタにしてバカにしたり褒め称えたりしている場面を目撃されたことはあると思いますが、それはその人たちが本当にそのネタにしている人たちに興味があるのではなくて結局のところ他人をバカにしたり、他人に自分は面白い話ができるんだよとアピールしている、つまり他人の噂話は自己主張の1つなのです。
自分の話をして、どう思われるのかは気にし過ぎる必要は無いと割り切り、誰かに些細な会話でも「天気いいですね!」などでも良いので雑談をかけては、会話を広げてみたりと、自分から話しかけたり、自分の話をすることに慣れていくと良いと思われます。
また、「どうせ自分の話なんて面白くない」や「自分なんて…」みたいに卑屈な考え方や気持ちで他人と接すると、それがそのまま態度に出てしまうものですので、逆にあんまり好きな人でなくても、「あなたが好き、もっとあなたのことを教えて!」と思い込むようにして人と接すると相手からにもその思いが伝わるので良好な関係は持ちやすいでしょう。
私のアドバイスが、お悩み解決に役立てれば幸いです。