アドラー心理学サロン

アドラー心理学で悩みを解決する糸口を探ります。

【過去の憎しみが抑えられない:メールでのご相談事例】

アドラー心理学サロンです。


メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。


個人情報に関しましては、ぼかしを入れております。


今回のご相談は、ご両親の為に借金を肩代わりして、苦しい生活を続けざるえなくなってしまい、その過去を忘れようにも、許そうにも、自分の苦労が無になってしまうように感じて辛いというお悩みです。


アドラー心理学の考え方をベースに、どのように憎しみという感情と向かい合うのか、どのようにつらさを乗り越えて前に進むのかご紹介させて頂きました。


皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。


Q1. ご相談

こんにちは。

いつもツイッターやブログなどで勉強させていただきありがとうございます。

ご相談があってご連絡致しました。


・年齢(年代でも可)  30代

・性別 女

・職業 無職

・今後どうありたいのか

自分自身が納得したい。

 

・ご相談内容

アドラー心理学や怒りのコントロールの授業では、怒りを忘れることをとにかく推奨される気がします。

 

自分のためにも怒りを忘れ許す道をと言われるが、結局それはやられ損のままがして許せないままでいます。

 

私の母はある日突然行方不明になりました。

財布も鍵も車もそのままで、何の手がかりもないまま、早数年がたちました。

そのあいだ母の父私には祖父が亡くなったり、母の残した借金の整理、父の払えないローンの肩代わりなど苦しい生活が続いています。

母がいれば母の年金も入る年ではあるのですが、行方不明のため申請することはもちろんできません。

 

そのせいで私は自分の仕事が辛くて辞めたかったのですが何年も止めることができませんでしたが、ついに体を壊し今は退職して自分の貯金を切り崩しています。

母さえいなくならなければ、こんな惨めな生活を送らなくて済んだのにという思いや、祖父が亡くなってもなにもしない、自分の家のローンも払わない父への憎しみで頭がおかしくなりそうな気持ちが続いて毎晩寝られません。


・問題だと思う点

過去の出来事、かえることはできないのにいつまでもそれにとらわれていること。

過去を母を父を許すと、私が結局損したままになるみたいな感覚。

やられた憎しみを消すことが自分の苦しんできた時間を否定する、無に帰すみたいで許せない。


どうか一言でも私にご助言いただけないでしょうか。

 

長々としたメールをお読みいただきありがとうございました。


A. 回答

アドラー心理学サロンです。


ご相談頂きまして、誠にありがとうございます。


アドラー心理学では、怒りを忘れるように推奨しているというよりは、怒りの目的を知ってその目的に対しての対処をすることを推奨しております。


例えば、「怒り」という感情の目的には相手を自分の思い通りに操作したいという「支配」が目的となっていることが良くあります。


どういった心理学の教室やアドラー心理学の講座を受けられたのか存じませんが、流派やその講師が忘れるといったニュアンスを使用された可能性が考えられます。


今回のあなたの状況をアドラー心理学流に整理すると、お父様の作った借金の返済は、お父様の課題であり、あなたの課題ではないと言えるように思えます。


アドラー心理学の課題の分離の考え方となり、応用すると他人がどうあるのかはその人の課題であって自分の課題ではない為、他人の課題には介入すべきではなく、あなたもお父様の課題を背負う、つまりは他人に自分の課題を介入させるべきではないということになります。


お父様とお母様を許すというよりは、自分が前を向く為に仕方ないから許してやるという考え方は如何でしょうか?


この「許す」という言葉の定義次第ですが、ある特定の過去の出来事を無かったことのように扱って、その加害者を許すという考え方ではあなたの心にしこりが残ってしまうと思われます。


憎しみが収まらないくらいに腹ただしいようなことだったり、悲しいことは、過去を水に流すというよりはそれに捕らわれて身動きが取れなくなるくらいなら、「自分の人生を幸せにする為に邪魔だから一先ずは無かったことにしてやる」くらいでも良いと思います。


苦しい中でも、必死に親の為に尽くしたあなたの努力は筆舌しがたいほどに思いやりと根気を感じます。自分の苦労してきた事実が、許してしまうと無になってしまうように感じられるとのことですが、前を向いて行動し始めることで何らかのポジティブな意味付けを過去に対して与えられるようになれるかもしれません。


例えの一つですが、以前の生活と比べてば、こんな仕事も生活も大したことがないと、普通の人よりも根気が身に付いていたりすると更なる努力をすることが出来てあなたの望むものを物心共に手に入れられる可能性が高まります。


その苦しい過去で工夫しながら努力してきたことを、今後の自分の人生の為に使うからもう知らないと考えて、親から離れてしまう方が良いのではないかと思われます。


あなたが前を向いて、自分なりに満たされた人生を送れるようになれれば、価値観も変わり本当に許せるようになる日も来るかもしれません。


辛い過去は、どんなものであれその時点で許せない程のことだと、その時点ではあなたの価値観も状況も変わらない為、捉え方を変えて相手を完璧に許すというのは難しいことでもあります。そうした経験があったからこそ今の自分がいるんだ!と思えるくらい自分を変える必要があるパターンがほとんどです。


アドラー心理学では、自分の捉えて認識している世界は他人の見ている世界とは全くの別物である為、共有し合うことはできないとしています。


このアドラー心理学の考え方で言うと、ご自身の見ている世界を変えられるようなら努力をすることが過去を忘れることに繋がるということにもなります。


もしその借金があなたの名義なのであれば、ご状況が分かりませんが自己破産をするという手もあります。自己破産は人生の終わりのように捉える方が多いのですが、理由にもよりますし、時代も変わりすぐに1年経たないうちにクレジットカードが作れるようになったり、クレジットカード会社やローン会社の信用情報のブラックリストに入っても数年程度で今までと変わりなくなるという情報もあります。


親と離れて暮らされているのかは知りませんが、家を出ても、最悪の場合には生活保護を一時的にでも受けるという術もあります。日本には生存権があり、あなたにもご両親にも、文化的に最低限の生活を享受する権利があります。


私の言葉が、あなたの助けになれれば幸甚です。