アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介してます。
今回のお悩みは、通っている専門学校を退学したいが、ネガティブな意見が多くて退学を踏みとどまっているとのご相談です。
アドラーの考え方をベースとして、通っている学校を辞めるべきなのか、そのまま続けるべきなのか、その判断基準をご提案させて頂きました。
個人情報に関しましては、一部ぼかしを入れております。
あなたの悩みの解決に、本記事が役立ちましたら幸いです。
Q1. ご相談
はじめまして。
19歳の専門学校生、女です。
私は今、歯科衛生士の専門学校に通っていますが、どうにも自分には合わないと感じています。
学校のことを考えたり、歯に関することを見ると憂鬱な気持ちになり、うつ病のようになってしまいました。
こんなにもやりたくないことをあと2年続ける自信がなく、退学をしようと思っています。
しかし、ネットを見ているとネガティブな意見が多く、退学に踏み切れないままです。
退学をした後の不安がいつまででもつきまといます。
やめたいという気持ちが大きいのに、将来の不安ばかりが頭を周り行動できません。
そこでなにかお言葉をいただきたいと思い、こちらにメールを送らせていただきました。
辞めた後について前向きに考えれるようになりたいです。
支離滅裂な文章で申し訳ございません。
よろしくお願い致します。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
生理的に耐えられないくらいお辛いのであれば、退学するのも良いと思います。年齢的にお若いということもあり、どんな失敗をしても簡単に巻き返すことができます。
他人の意見について、賛否両論があると思いますが、ネットにしろリアルにしろ、他人の意見なんて思いつきでいい加減なものです。
なので、世間的にはどう思われるのか、他人にはどう映るのか?という考え方をして、他人にあなたの生き方への影響をさせてはいけません。
恐らく、あなたも誰かから通ってる学校や働いてる会社を退職しようと思っているとの相談を投げかけられたなら、できるだけその人が苦労しない方へアドバイスすると思います。
もちろん関係性やあなたの性格次第でもありますが、基本的には無難なアドバイスをしないと責任も取れませんし、あまりチャレンジングなアドバイスはしないことが多いのではないでしょうか?
他人がどう思うのかを気にすると、ひたすらに振り回されてしまい自分の満足できる人生を送ることが困難になってしまいます。
もちろん、私もあなたの人生の責任を取ることができないのですが、本質的に自分がどうするのかを決めるのはあなたの課題となります。
アドラーの観点から言うと、課題の分離という考え方となります。
アドラーの課題の分離をあなたのお悩みに応用すると、自分が何をしようとしているのか、それについて他人がどう思うのかは他人の課題であり、自分の課題ではないので介入することはできないという考え方です。
ある課題が、自分のものであるか他人のものであるのかを区別するには、最終的にその結果を誰が担うことになるのか?という視点で知ることができます。
退学するかしないかは、あなたの課題であるということを前提にアドバイスをすると、通っている学校を途中退学するとなるとやはりマイナスなイメージが世間的には強い傾向があるのでできるなら避けた方が良いと思います。
ただ、あなたが納得できず、我慢ならないのなら話は別となりますし本来の自分のやりたいことと違うにも関わらず世間の目を気にしてしまうのは、他人の人生を生きることにつながってしまいます。
アドラーは誰かに認めてもらえるように生きてしまうことを批判しており、自分でしか自分の幸せを作り出すことはできないので他人の価値観ではなく、自分の価値観に沿って生きることを勧めています。
他人が求めてくれることを提供する観点は仕事をする上で大切にはなりますが、自己犠牲を伴わせてはいけません。
何でも良いので、退学したら自分のやってみたい仕事に就いてそれに一生懸命取り組んでいく方が、あなた自身の幸せにつながると思います。
ただし、諦めるというよりも、割り切るという考え方を持って退学しましょう。本来はやりたいと思って入るけれども、「自分にはできなさそう…」といった及び腰での退学は逃げになってしまい、アドラーの考え方で言うと自分の納得できない結果に向き合うことから逃れようとする目的達成をしようとしていることになります。
逃げの姿勢が付いてしまうと、これから先も同じようなことを繰り返してしまい何も徹底されない危険性があります。
自分の中で、「この方向は自分の目指すところに行けない」、「自分の本来やりたいことではない」と割り切りをして次に向かおうとする前向きな理由でないのであれば、一先ずは退学せずに残る方が良いと思います。
未来の不安があるとのことでしたが、先のことはどんな人間にも分からないので、やってみたいなと思える仕事にひたすら集中するしかありません。
「今、あなたが何をするのか?」があなたの未来を形作ります。
「今」を真剣に生きることによって仕事のスキルが身に付き、それが経験となり同じ会社の中でのキャリアにつながることもあれば、別の会社または独立につながります。
しかし、「今」を疎かにしていれば何も身に付かず、あなたの心配する通りの未来が訪れます。
この「今、この時」だけに強いスポットライトを当てて、過去も未来もない「今」に集中すれば道は拓けます。
多くの人達は、未来のことを心配したり、自分のやりたいことは何なのか?、自分とは何者なのか?という自分探しをしたり綿密な人生設計を組んでいたりします。
今のあなたを、1年前のあなたは予測できていましたか?今あなたが感じていること、どんな人に囲まれているのか、それらを事前に知っていたことなんてありえないと思います。
大体の未来の方向性のイメージは大切ですが、先の心配ばかりしていてもどうにもなりません。
「今」に集中して、「今」を充実させましょう。