アドラー心理学サロンです。
人間には見栄があります。そしてこの見栄は、私たちを不幸にしてしまう大きな原因にもなります。
人からどう見られるのかを気にしてばかりで、体裁を保つことばかり考えて自分のやりたいことをやれていない人はとても多くおります。
もちろん、人には承認欲求があり、他人から認めてもらいたいという思いを完璧には捨て去ることはできません。
しかし、アドラーは強過ぎる承認欲求を持つと自分の人生が生きられず、常に誰かの価値基準に振り回される他人の人生を生きることになってしまうと警鐘を鳴らしました。
アドラーの有名な考え方である「承認欲求の否定」です。
今回は、どうすれば人の目を気にして、見栄を張らずに自分らしく生きられるのか、その考え方をご紹介させて頂きます。
外見ばかりにこだわる人は、「家の中は粗雑なもので構わないから、家の外見は立派なものにしたい」、「車は高級ブランドであれば走行距離や経過年数はどうでもいい」このように考えます。
もちろん、時と場合によっては他人に良いイメージを持ってもらう為にこのような考え方をするべきであることも少なくありません。
しかし、常に人の目を気にしてばかりいては、「外見の良さを見せびらかして、人を羨ましい気持ちにさせて満足したい」という思いに駆られてしまいます。
こうなると、他人の目に映らないことを軽んじて、本質的な価値を追求したり、本来の自分の欲しいものは得られなくなってしまいます。
自分を磨きあげる為に本を読んで勉強したり、仕事で高い成果を上げようと他人から教えを請うたりすることなく、ひたすら他人からよく見られるようになる努力しかしなくなってしまいます。
仮に勉強したり、他人に何かを教えてもらっていても、自分の為ではなく他人から認めてもらう為の目的になってしまいます。
このような見栄は、他人の価値観に振り回されるだけで、あなたの心の平静を乱しているだけとなります。
人は本来、他人には興味は無くて自分のことにしか興味なんてありません。つまり、あなたに対して投げかけられる意見やアドバイスはその人の主観的な思い付きでその人にとって都合の良いものであるか、単に無難で当たり障りのないものでしかありません。
一方、見た目にこだわるということは、他人にどう思われるのかというよりは自分の中で納得できるレベルを目指すという考え方となります。
つまり、自分の価値観で、自分の理想的な基準に沿って物事をやり遂げたりすることなのです。
見た目にこだわるということは、他人からの基準とは関係がありません。もちろん、こういう人から見たらどうなんだろう?という他者の価値観を参考にすることはあっても、ベースにあるのは自分の価値基準となります。
つまり、他人から認められることがあっても、それはあなたのやり遂げたことがその人にとっても素晴らしいものであったというだけです。
人の目を気にすることと、見た目を気にすることには、似ているところはあってもこれだけの違いがあるのです。
外面ではなく、内面にこだわって生きると、心の平静も、幸せも両方とも得ることができるのです。