アドラー心理学サロンです。
人は自分に似た人にもっとも好意を持つこともあれば、もっとも嫌悪感を抱くこともあります。
あなたにも自分と似た雰囲気を持つ人で、自分と気が合う人をすごく好きになったことや、その逆に自分と似た人と気が合わず、酷く嫌った経験があるのではないでしょうか?
ある心理学の実験で確認された法則で、この経験が裏付けられています。
この心理学実験では、話し相手が「自分の話に興味を持ち、楽しそうに聞いてくれる好印象な人物である」時、自分に似た相手にもっとも好意を抱きました。
ところがしかし、話し相手が「自慢話ばかりで、自分を軽蔑するような振る舞いをした嫌な人物である」時、自分に似た相手にもっとも嫌悪感を抱きました。
つまり、「自分と似ている他人の言動や行動は、自分自身の資質の評価に影響する」と考えられます。
自分と似ていない他人の言動や行動は、自分に関する世間の評価とは無関係なので、その人に対して好意も嫌悪感もそれほど抱かないのです。
世間的な評価の他にも、自分の欠点を見ているような気持ちにもなるので自己嫌悪にもなりやすくなってしまいます。
人は自分と関係することにしか反応しない、良い例とも言えます。
アドラーは自分と他人の課題を分離して、他人からどう思われても関係無いものだと課題の分離をするように進めておりますが、アドラーの課題の分離をするしない以前の問題だということです。
人間は本質的に自分自身にしか興味は無く、自分に関連したことに興味を持ちます。
表面的には他人の詮索をしたり、噂をしたりする動作の背景にも、面白いネタを補充してそれを伝えて自分に注目を集めようとしているに過ぎないのです。
人間社会の中では、ある程度の社会的な体面を保つ必要があるので見た目には気を付ける必要はありますが、他人の目を気にしてしまうと他人軸で振り回されるだけの結果を招くということになります。
他人から見た自分ではなく、自分から見た自分は参考情報としての他人の見方を取り入れたりして自分軸で整えるようにするべきであるということです。
こうすれば、大きく社会規範を飛び越えた存在にはならず、社会性を保ったまま自分らしく生きることが可能になります。
アドラーの考え方を取り入れると、「他人からどう思われてもいいから自分勝手にしていいんだ!」という考え方にたどり着く人がおりますが、前述のように他人の目を自分軸で活用できるようになれれば自分勝手ではなく、「自分らしく」なれるのではないかと思われます。