アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご掲載致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れております。
今回のご相談は、自分のやりたいこと、自分に合うことが分からず、歳ばかりを重ねてしまってどうすれば自分に合うことが見つかるのか知りたいとのお悩みです。
今回はアドラーの観点というよりは、一般心理学の法則をベースにして、やりたいことの見つけ方、選択できない状況への対処法をご提案させて頂きました。
あなたの悩みの解決に、本記事が少しでも役立つことができましたら幸甚です。
Q1. ご相談
初めまして。
【自分がやりたいことがわからない】ので相談させて頂きたいです。
20代後半にもなって職を転々をするフリーターです。
まず私自身の性質をお話しします。
・【何事も自分にピッタリを選びたい】
・人の悩みを解決するのは好きだし得意だが自己分析が全く出来ない
・友人少なく親族との関係希薄
・能力を発揮したい
・AとBで悩めば時間切れで、いつもどちらも得られない
ファッションに関しても、自分にピッタリ合う髪や服が分からなくて、周りと同じ格好をするのも恥ずかしく、結局一番地味で逆に浮いているくらいです。
【したいことを見つけて、それに向けて準備する】ということは分かっています。
オムライスを作りたければ、卵やご飯、調味料を用意して切る→炒める…という風に。
そろそろ…というか何年も前からメニュー(したいこと)を決めたいのに決められないでいます。何の準備も出来ないまま、ただ時間だけが過ぎていき焦る一方です。
周りはしっかり自分がしたいことを分かっていて、それをしている。
老後のためにも手に職をつけたいです。
ファッションにしても仕事にしても、どうしたら、自分に合ったものを探せますか?
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
やりたいことはあっても、自分に合っているのかが分からなくて何事も定まらないとのことですが、取り敢えず始めてみた方が良いと思います。
人間、誰しも自分が本当にやりたいこと、自分に本当に合うことなんて知りません。あなたから見ると、他の人達は自分のやりたいことを見つけて、自分に会うことに邁進しているように見えるのだと思いますが、それは違います。
「これだ!」と思ったことを絞り込んでそうした人達は行動しているのだと思います。
人間は、選択肢が多くなるほどに決断ができなくなる「選択のパラドックス」という性質を持っていると心理学では考えます。
「選択のパラドックス」とは、多くの人は選択肢が多いということは、自由度が増してその分幸せになれると思っています。
しかし、選択肢が増えることは必ずしも幸せとは直結しないと、米国の心理学者バリー・シュワルツ氏は説いてます。
それは、下記の2つの理由からです。
・無力感を感じる
多すぎる選択肢があると、人はどれにするべきなのか選べなくなってしまい無力感を生じる。
・満足感が無くなる
選択をしても、選択肢が多い場所と選択肢が少ない場合を比べると、選択肢が多い場所の方が、選んだ選択肢が自分にとって本当にベストであったのか分からず、満足感が減ってしまう。
なので、意識的に自分の中でやりたいこと、自分に合っていそうなことを2、3個まで絞り込んで、その中から選択するようにした方が打ち込みやすくもなり、満足感も高くなります。
そもそも、人間の認知能力には限界があり、自分に合うことを全ての物事から把握すること自体が不可能なのです。
全ての職種や会社、現場を体験したりすること自体が物理的にも不可能ですし、時と場合によって自分に合うのか合わないのかは変動してもしまいます。
あまり考え過ぎず、今の自分が知れる範囲、できる範囲で始めてみるようにしましょう。
準備をする前に、飛び込んでしまって手を付け始めた方が結果として新しい景色も見えますし、その過程で身に付けた知識や経験を基に別の新しいことを始めることもできます。
実際にどんなことをやるのかを経験していない段階から闇雲に準備をしていても、何も始められません。
飲食店に勤めるとして、料理の基本くらい勉強しておこうと考えるのは素晴らしいことですが、実際にあなたが働く飲食店でそこまでの料理の知識が必要になるのか、また別のジャンルの知識が求められることもあります。
取り敢えず始めてみて、それから必要なことをしっかりと学ぶようにした方が結果もついてきます。