アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を、お悩み事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れて細心の注意を払っています。
今回のご相談は、恋人と友人に裏切られてしまい、過去の裏切りがフラッシュバックしてしまい前向きになれないとのお悩みです。
アドラー心理学と、一般的な心理学の観点から、裏切りに限らず過去の辛い記憶を自然と忘れて、今を前向きに生きる方法を解説させて頂きました。
あなたの悩みの解決にも、本記事が少しでも役立てましたら幸甚です。
Q1. ご相談
以前相談させていただいた者です。またご相談させてください。
恋人に裏切られた話をしましたが、同時に共通の友人にも裏切られていたことがわかりました。
共通の友人たちには内緒でお付き合いをしていましたが、恋人に裏切られたときに一番信頼していた共通の友人に関係を打ち明けたところ、恋人に相談内容を全て暴露されたこたがわかりました。
確かに秘密の交際を話してしまったことで僕も恋人のことを裏切ってしまいました。
しかし今はお互いに裏切りあったのだから縁が切れてよかったと思うようになりました。
それでもなお、トラウマのように裏切られたときの言葉や状況がフラッシュバックしてしまいます。
アドラーはトラウマなんてないと言いますが、なかなか受け入れることができません。
そして人を信用できなくなりました。新たな出会いがあっても、お前も裏切るのだろ?って思ってしまいます。
元の精神状態に近づくにはどうしたらいいでしょうか?
A1. 回答
恋人に裏切られて、更には共通の友人からも裏切られてしまったとのこと、お辛いですね…
裏切られたけれども、裏切るような人間だったと早く分かって良かったと思えるようになれたのはとても良い傾向だと思います。
過去の辛い経験がフラッシュバックして、今やるべきことに集中できなくなってしまうことはよくあることです。
アドラー心理学では、トラウマは存在しないとして、トラウマの存在そのものを否定する見解ではありますが、過去の影響は取り除く必要があるとしています。
度々、フラッシュバックしてあなたを苦しめた事実や感情を、一度紙に書き出して整理してみてはいかがでしょうか?
多くの心療内科や精神科でも使われている心理療法の一つであり、脳神経学的にも心理学的にも効果のある方法です。
単純な作業ではありますが、心理学では専門用語として「エクスプレッシブ・ライティング」と呼ばれています。
人間は決着の付いていないことを忘れることはできません。
ただ、自分が何に悲しんで、何に不満を感じていたのかを紙に書き出して可視化することによって、これまで頭の中でぐるぐると反すうしていた辛い出来事を整理することができます。
頭の中で考えたり、悩んだりしているだけだと、どうしても近視眼的になってしまって辛いことが無限にあるように思えてしまいますが、紙に書き出すことによって悩みは有限であり、全体を俯瞰することができます。
当事者としての視点だけではなく、第三者視点を持つことができますので、辛いことを思い出したらその内容と、どんな時なのかも一緒に記録しておくと、いざフラッシュバックしてきた時にどうすればいいのか、もしくはフラッシュバックを避けることもできるようになります。
多くの人達は、紙に書き出すだけで「もーいいや!」とどうでも良くなることの方が案外多いのです。
過去の裏切りだけではなく、どんな辛い記憶にも有効な方法ですので是非一度お試し下さい。
これからの新しい人間関係でも、必ずあなたを裏切ったり、上手く利用しようとする人は現れます。
今回の裏切りは、裏切る人がどんな人なのかを知る機会であったとも捉えられると思います。
一度も裏切られることなく、最高の人間関係を持つことは基本的にはありえないのです。
裏切られた経験を通して、ご自身の中で何か学べたことをピックアップするだけでも気持ちは和らぐかもしれません。