アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を、お悩み事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れて細心の注意を払っています。
今回のご相談は、お父さんが海外で拘留されてしまい、実家は借金まみれで家を追われそうで受験勉強にも集中できず、どうすればいいのか分からないとのお悩みです。
アドラー心理学のベースに、不幸に苛まれてどう生きるのか分からなくなってしまった絶望に立たされた時に、どんな行動を起こすべきなのかご紹介させて頂きました。
あなたの悩みの解決にも、本記事が少しでも役立てましたら幸甚です。
Q1. ご相談
・18歳
・男性
・警備員
・今後、大学に入学し父との問題も解決しできることなら釈放され借金やローンに悩まされず頭の悪い絵が下手な自分を周りと比べて責めないで生きていけるようになりたいです。
・どうしても人に相談できない悩みがあるのでこの文章をお送りしています。今私の父は海外で犯罪の容疑をかけられ拘留中です。
それはともかく父がいなくなったせいで我が家は叔父さんから生活費をいただいて暮らしてます。
私は現在浪人中で塾の費用を払うため月6回の警備員の仕事をしています。現状はざっとこんな感じです。
悩みはまずバイトしながらでも大学に受かるかどうか(志望校は昨年は公立化の影響か高倍率で落ちました)同級生は指定校推薦やAOで受かりました。
私は誰よりもこの大学のオープンキャンパスへ行き小学校からこの大学と関わりを持ち在校生よりもこの大学を知り入ろうと思ったのにAOで落とされ一度も大学に関心を持たなかった同級生が入れたことに強い恨みを感じています。もちろん自分の実力不足なのは認めますが。
とても行き場のない怒りを常に覚えています。そして不安も相まって受験勉強に集中できないでいます。
あと自分は絵を描くのですが周りよりも下手でいまいち自分の望んだような評価はされません。友人のいくつかは頭が良くもう一つは絵が上手い。
自分はどっちつかずで中途半端で何者でもない自分が嫌になってしまいます。もう一つの悩みは家を追われるかもしれないということです。
父は多額の借金をしていたそうですし自社ビルのローンも残っていて親戚から借金の返済を催促する電話がひっきりなしにかかってきます。
家を追われるというのは家を担保に入れてたそうなのです。母は日に日に疲れはてやせ細っています。
保釈裁判の費用で22万円も飛んでしまいそろそろ限界です。何故自分だけが周りより厳しい状況に置かれているのか不公平な気がしてなりません。
近頃私はこの世を去ることばかり考えてしまいます。
もう生きるのが面倒に感じてしまいます。
母が悲しむとかそういうのを気にしていられないぐらいに疲れ果ててしまっていますがまだ生きていたい、現状を打開したいという思いで相談させていただきました。
・問題だと思うところ
自分の集中力のなさ(ADHD?)とにかく日によってはじっと座っていることが苦痛。(もちろんそれがない時がある)激しい誇大妄想癖と父親の存在。
A1. 回答
お父様が法を犯して海外で拘束されており、お母様も金銭的にも精神的にも限界を迎えられていて、自分もどうすればいいのか分からなくなってしまっている状態なのですね。
単刀直入に申し上げますと、大学が全てではありませんし、あなたのやりたいことにどうしても大学の学士が必要でないのなら別の方法で自分の夢を追った方が良いかもしれません。
現状を打破されたいとのことですので、むしろ家を取り敢えず飛び出して、どこか遠くの都市に行ってみてはいかがでしょうか?
まだお若いので、いくらでも可能性はありますし、大学なら数年遅れて働きながら通ったり、貯金してから進学しても良いと思います。
高校生までは学校と家庭、もしくはバイト先くらいしか世界が無かったと思いますが、世界は非常に広いのです。
人は自分の知ることしか知りません、あなたが自分の世界を広げようとして、今の自分にやれることをひたすらやっていれば必ず道は開けます。
あなたが「叶えたい夢」、「やってみたいと思えること」を取り敢えず始めてみた方が良いと思います。
辿り着きたい場所があるのなら、今いる場所からは離れないといけません。
あなたのように自発的に、こうしてメールで自分のことを表現してアドバイスを求めることができる人を劣っているとは思えません。
むしろあなたの同年代の人たちよりも、あなたには優れたところも多いと思います。
大学に受かる受からない、絵画などの特定の分野での優劣なんて一つの他人が決めた基準でしかありませんので、そんなことで自分の価値を決めてはいけません。
家を出るか出ないのかは別として、環境を変えることをお勧めします。
それからまた考え直した方が、より良い選択をすることができると思います。
世の中、みんなが自分の理想通りの環境で育っている訳ではありません。
お金持ちで良い両親がいるからといって、そうした環境が本人にとって合う環境であるかは別の話なのです。
外側からでは分かりませんし、家族のことだって知らないことも多いのに、赤の他人の置かれている境遇のことなんて分かりっこありません。
心理学者アドラーは、何が与えられたのかではなく、与えられたものをどう扱うのかに注目するべきであるとしました。
他人や自分の環境そのものを変えることはできませんが、自分のことは変えられます。
飛び出してみると、新しい世界が開けてくることでしょう。