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嫌われる勇気が持てないのは自己評価が低いから!?

本記事では八方美人を題材として、なぜ多くの人達が嫌われることを恐れて自分の人生を犠牲にしてまで他人に無理な同調・共感をしまうのか、またどうしたら嫌われる勇気を獲得できるのかについて解説しています。

 

 

八方美人とは

誰にでも同調してしまい、自分を出すことができないでいる原因は、結論から申し上げますとあなた自身が持つセルフイメージである自己評価が低いからです。

 

誰にでも良い顔をしたり、どこから見ても欠点がないように見える八方美人は、何でも同調してしまっては誰に対しても当たり障りなく接する人のことです。

 

嫌われたくないという気持ちは男性よりも女性の方が多く見られる特徴であり、古くは多くの男性から気に入られて優秀な子孫を残すための本能的なものであるとという説も存在します。

 

心理学的に八方美人に振る舞う人の心理を解説すると、自分の価値観や考え方が異なっても、相手の顔色を気にしてしまって相手に無条件に賛成しては同調することを「屈辱的同調」と呼びます。

 

また、人の目を気にして、相手の言葉や行動に関心を向けることは「対人認知欲求」と言います。

 

これらの原因に「自己評価の低さ」があるからこそ、誰にでも良い顔をする八方美人な人が存在しているというのが心理学的な考え方となります。

 

八方美人のデメリット

少しきついお話にはなりますが、誰にも嫌われたくないと思っていても八方美人で誰にでも良い顔をする人もいれば、同調圧力の強い日本だからこそ周りに合わせているだけで本心では一切の同調をせずに本音が正反対なこともあります。

 

つまり、八方美人になれば敵を作らず、誰にも嫌われていないと考えてしまうのは的外れであり、表面上だけの人間関係ばかりが構築されてしまい、本当は自分のことをどう思っているのかよく理解できない人達ばかりが周りに集まってしまいます。

 

他人が自分をどう思っているのかなんて、本当のところは他人であるあなたには分かりません。本人の問題だからです。

 

そうなると、もはや自分の中で勝手に作り出した「人の目」を気にして、自分で自分を束縛して他人に支配されているような人生を送ることにも繋がってしまうのです。

 

過度な承認欲求を持つことで自分の人生が他人の人生になってしまうと警鐘を鳴らしているアドラー心理学でも同じことが言えるのです。

 

どれほど他人に合わせようとしていても、内心ではみんな別々の考えを持っていて、十人いれば十通りの考え方があります。

 

合わせようとすればするほどに、相手からどう見られているのかという自分の中の思い込みに振り回されてしまうのです。

 

「屈辱的同調」によって自分の本当の気持ちを抑えこみながら相手に同調して好意を得ることを目的に生きるのは、「対人認知欲求」を満たして周りの顔色をうかがって神経をすり減らして生活に支障をきたすのか、どちらかのパターンもしくは両方で精神的にダメージを受けている人は八方美人タイプの人に少なくありません。

 

八方美人から卒業するには

八方美人はやめるには、自己評価を高めていく必要があります。

前述の通り、「屈辱的同調」と「対人認知欲求」は誰にでもあるものですが、過度に「屈辱的同調」と「対人認知欲求」が強いのが八方美人なのです。

 

自己評価を高めるには、趣味でも仕事でもどんなことでもいいので、何か誰よりも夢中になれることや周りと比較してある程度は自分が優れていることに没頭して、得意分野を一つでも作ってみることです。

 

他人との比較で問題が解決するわけではありませんが、自分にも多少なり優れたところがあるのだと自覚するには一番手っ取り早く自信を持つことができるのでおすすめです。また、無理をしてまで他人に合わせる必要も無ければ、義務も道理も無いのだと割り切る気持ちも大切です。

 

できるのかできないのかは、自分がどう思うのか次第ですし、環境や他人のせいにしていたらいつまでも余計に振り回され続けます。むしろ、自分の考えや意見を持っていて、上手に本音と建前を区別したり、ある時には対立できる勇気のある人の方が認めれて信頼されるのが世の中です。

 

反対意見を言って気まずい雰囲気になったらどうしよう・・・とつい周りに合わせてしまうことがあると思いますが、ランチの場所決めのようなささいな場面等で自分の気持ちを素直に伝えてみるのも良いです。

 

他人が自分をどう思うのかを気にしたり、他人のあり方に納得できなくても、それは本人が決める他人の課題であって、あなたの課題ではありません。

 

アドラー心理学を代表する「課題の分離」の考え方です。

 

反対に、自分の課題にも、他人を介入させずにお互いのテリトリーに侵入しないようにした方が良いのです。お互いに自立した対等な立場なら尚更、そこは区別しましょう。

 

もちろん、例えばあなたが親で子供を放置することは育児放棄になり、上司や先輩で後輩を放置していれば職務怠慢になりますのでそこは分別してください。

 

最終的に自分に責任があるのか、他人に責任があるのか、それによって自分と他人の課題を区別することが可能です。

 

日本ではみんなで決めたことが絶対になって、みんなで成果と責任を取り合う村社会風潮がありますが、少なからず自分の責任になることならば自分で決めて場合によってはみんなと離れる覚悟も必要になります。

 

世の中は広くて、様々な人達がおりますし、どこかで嫌われてもそんなに気にする必要もありません。あなたの居場所は必ずあるからです。

 

安心して、自分を優先して生きてみましょう。