ポジティブ心理学サロン(アドラー心理学サロン)

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やる前から言い訳する人間の心理とは?

「相手が何を言ってるのか分かりませんでした」

「自分の説明をちゃんと聞いてくれないので話がまとまりませんでした」

 

失敗した時にあれこれと言い訳をする人間の心理とは、自分が犯した失敗を認めたくない時に自分以外にも原因があるのだと主張して、自分の精神的ダメージを軽減しつつ相手から責められないようにしようとしています。

 

もちろん、言い訳をすること自体は問題ないですし、自分の失敗の原因がどうにも他人や環境のせいであることは少なくありません。

 

しかしながら、上司や先輩にできなかった理由を問われている訳でもなく、自分から失敗の言い訳をしようとするのはあまり良い印象は持たれません。

 

なかには、やる前から言い訳をして自分の失敗への保険をかけたり、逃げ道を作ろうとする人もいます。

 

失敗した時を見越して、自分の精神的ダメージを回避する為に予防線を張ろうとすることを心理学では「セルフ・ハンディキャッピング」と呼びます。

 

よくあるのが、テストの前日に「昨日は寝れなかった」と言ってる人など、正念場で「体調が悪い」だのと言いふらして仮に悪い結果に終わっても仕方ないかのように周りの人達に思わせようとすることを「セルフ・ハンディキャッピング」というのです。

 

一見、謙虚に見えますが、この手のタイプは巧妙に責任から逃れようとしたり、周囲に好印象を与えるのが上手いだけで実はプライドが非常に高くて繊細なのです。

 

「傷つきたくない」という気持ちが強くて、例えばテストで高得点を本当は取りたいと思っているにも関わらず目的がすり替わって「失敗してバカにされたくない」という目的を達成しようとしているのです。

 

アドラー心理学は本来の目的を言い訳して、自分を守ろうと保身に走って逃げることを人生の嘘といいます。

 

自分で自分に嘘を付いて、プライドが高い割には自分に自信が持てない。

 

でも周りからダメ人間だとは思われたくないので自分がいかに不幸なのかをアピールして同情を集めようとしたり、自分よりも弱そうな存在を攻撃して周囲の人達と自分を騙して「偽りの優越感」に浸って弱い自分と向き合わないようにしているのです。

 

失敗した時の保険として自分の努力とは関係の無い状況や環境をあらかじめ言い訳の材料にしてしまうことは褒められたものではありません。

 

言い訳ばかりしていれば、本当に自分以外の他人や環境に振り回されてしまうようになりますし、保身を優先してせっかくのチャンスも逃して成長の機会を失ってしまいます。

 

セルフ・ハンディキャッピング」をしてしまう人に対しては「次があるから全力で頑張ろうね!」や、「大丈夫さ!」のように不安を取り払う言葉をかけてあげて励ましてあげましょう。

 

つまり、「失敗したとしても温かく受け入れてくれる」と思わせてあげるのです。

 

また、自分自身に「セルフ・ハンディキャッピング」の傾向があるのなら、たとえ失敗したとしても自分の価値が低いだとか、能力が足りなかったと考えるのではなく、努力ややり方が間違っていただけで「工夫したりもっと努力すれば必ず自分はやれる」と考えるようにしましょう。

 

人間の個々の能力は大差ありませんし、どれだけ努力の質と量を上げてこれたのかが結果を左右します。どうしても難しいことから別のことにチャレンジすればいいだけの話ですし、工夫をすれば今よりは必ず進歩するものです。

 

失敗しても自分を卑下するのではなく、上手くいかないやり方を一つ見つけたのだと思って自尊心を維持すればいいのです。失敗したからって落ち込む必要はありません。