ポジティブ心理学サロン(アドラー心理学サロン)

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つらい時に必要なのは正論ではなく共感

つらい時に正論を言われると、本人からするとまるで暴言にしか聞こえないものです。

 


苦しんでいる人に必要なのは、正論ではなく共感です。

 


つらい時は正論が受け入れられなくて苦しんでいるのです。

 


悩んでいる人に正論を言うことは、本人に非がない通り魔事件の被害に遭ったばかりの人に対して、「いつまでも落ち込んでいても仕方ないから早く元気出しな」と言っているようなものです。

 


感情的に落ち込んでどうにもならない状態にある人に必要なことは、正しいことではなくて話をしっかり聞いてあげて共感してあげることを通して安心させてあげることです。

 


それでも、本当のところを言ってやらないといけない時もあるだろうという意見もありますが、それは自分が正しいと思うことの押し付けです。

 


本当のところは本人にしか分からないですし、仮に本当のことであったとしても、本人がそれを受け入れられるくらいの信頼関係ができていたり、精神的に落ち着いた状態になってなければ逆効果です。

 


もちろん、どこかで事実と向き合うことは必要になります。

 


しかし、聞かれてもなければ覚悟のない人に正論を言ってしまうと、それこそ余計に相手を追い込むばかりですし、下手をすれば説教くさいと拒絶されたり、悪者にされてしまうばかりですし、正論を言いがちな人は、そもそも自分の価値観を押し付けているだけであることを自覚した方がいいですね。

 


単純に知識や経験が不足していたり、考えが至っていないだけであったり、自分の悪いところと向き合う勇気がないだけだったりと、理由は様々ですが、どんな意見もその時その時点でその人にとっての正解なのです。

 


それを尊重してあげられないのなら、もう関わらない方がいいのです。

 

カウンセリングを受ける立場にある人は、基本的には傾聴と共感をしながらまずは感情的に落ち着いてもらい、対話を繰り返して信頼関係を作り上げてから本人が向き合うべき事実を自覚していってもらうことが必要になります。

 

相手によってはそのまま正論を言った方がいいこともあれば、それとなく諭しながら正論を柔らかく伝えたり、もしくは本人の中で気づかせることが必要になります。

 

つまり、正論を言いがちな人には、それほど正論は理解してもらいにくいものであることを自覚してもらいたいのです。