アドラー心理学サロンです。
本記事では、親や学校の先生、職場の上司や先輩を始め、周囲の人達が抱く期待に応えようとして自己犠牲を繰り返し、苦しまれている方がいかにそこから抜け出すのか、その考え方について書いていきます。
特にこの記事では、親子関係を中心に例としてあげております。
親子関係こそが、本記事で問題とする「他人の期待に沿わない」という考え方の実践が、あらゆる対人関係の中で一番困難なのです。
つまり、親子関係で実践できれば、他の学校や職場でも容易に実践できることでしょう。
他人の期待に沿ってはいけない
他人の目や、他人の意見に振り回されがちな方は、やはり他人の期待に応えようとする真面目で誠実な方がとても多いのです。
しかし、こうして親であれ誰であれ、他人の期待に応えようとして自分を犠牲にして本来の自分の人生を生きることができないことは大変息苦しいことでしょう。
特に、親子関係でこうした問題は頻発しており、これは大なり小なり洋の東西を問わない代表的な問題となります。
親子関係の中で、「自分の子供は、自分の全てである」とした考えを持つ親も多く、子供に対して依存しており、過剰な期待を子供に対して抱いてはそれに沿うことを意識しているかいないかに関わらず要求しています。
こうして過大に子供の課題を親が背負いこんでも、子供は親の期待通りになるものではなく、独立した個人であり親が支配できる所有物ではありません。
こうした、期待を持つ、期待に応えようとすることで、親子共々苦しんでしまうのです。
物理的にも、心理的にも、距離が近いが為に家族とは意識的に「課題の分離」を行い、境界線を引く必要があります。
親子の関係で、「課題の分離」をすることは、どうしてもメンタルブロックが入ってしまい憚れてしまうようです。
親からの視点
親からできる考え方としましては、決して子供の課題には介入することはせずに、子供の成長ややっていることを温かく見守るのです。
そして、子供が何かを始めようとしていたり、困っていて援助を求めてきた際には、全力で援助をしてあげるように考えましょう。
そもそも、子供ができたからとはいえ、子供の為にあなたの人生全てを捧げることは間違っています。
アドラー心理学では、そのようなバランスの取れないライフスタイルは、人生の調和が取れていないとして認めておりません。
子供ができたからとはいえ、自分自身の趣味でも仕事でも、やりたいことを我慢したり、交友関係を減らすのは良くない傾向です。
子供からの視点
子供からできる考え方としては、親であれ他人であり、その特定の誰かが良しとした人生に沿って生きても幸福をつかむことはできないと考えましょう。
承認欲求を満たそうとしてしまうと、自分の人生ではなく、それは他人が望む他人の人生になってしまうのです。
親がどれだけ泣こうが、悲しもうが、あなたには一切何の関係もありません。
あなたがやりたいことをするのに、「親は何て言うのかな?」、「親が悲しむだろうな…」なんて思ってませんか?
あなたの人生なのです、どう生きるのかは、あなたが自分で決めれば良いのです。
親があなたをどう思うのかは親の課題であり、あなたの課題ではありません。
他者を見るのに大切なこと
対人関係は特に、親子関係において、お互いの存在を認識する際に最も大切な考え方は、理想像からの引き算ではなく、足し算で互いの存在を確認することです。
特に親子関係であれば、親はどんな時も子供の面倒を見て家庭を安定させるべきである。
子供は何の問題もなくスクスクと成長して安定した仕事に就いて良い人と結婚するのだ。
といった理想像を持つことでしょう。
そこからの引き算ではなく、例えば子供が誕生した際には、無力で社会的に何も役にも立たない幼い我が子を無条件に愛しんだことでしょう。
また、幼い頃には、親はかけがえのない存在であり、特に何も考えることなく、何をしてくれたのかなど関係無しに、大切な存在であると認識していたことでしょう。
そこから足し算をしてお互いを認識しましょう。
この考え方ができれば、親子関係に限らずに多くの対人関係のトラブルを避けることができます。