アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
今回のご相談は、劣等感が強過ぎて自分を卑下してしまい、どうすればいいか分からないというお悩みです。
こちらのご相談者様には以前も似た内容で回答させて頂きましたが、今回は過去を乗り越えてどう生きていくべきなのかという視点から、アドラー心理学をベースに回答させて頂きました。
個人情報に関しましては、ぼかしを入れております。
皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
Q1. ご相談
二十代
陰キャラ
相談内容
自分はなにやっても中途半端な自分がダメだなあと感じる
傷つきやすい
僕は仕事や生きてて自分に甘いから中途半端でダメだなあとつねに感じます
仕事では5年働いてた職場で自分より後に入ってきた人に注意されるし調理師免許持ってるのに調理ができないから洗い場の仕事でパートの人からもなんであなたは社員なのとか言われたりします
今は正社員の仕事を辞めてフリーターになりました
実家暮らしだからみんな1人暮らしや結婚とかしてる人を見ると自分はクズだと感じます
悩みがなさそうとかお前の親は甘いだろとか言われると自分は怠け者のクズだと自己嫌悪になります
学生時代は身長が高いから周りからデカいだけとか言われたりしました
他人から俺がお前みたいに恵まれた体格ならボクシングの世界チャンピオンになれるとか言われたりしました
身長が高い人はプロ野球選手とかになってるのに自分は中途半端で甘ったれと思うと自分はクズだと感じます
もっと努力して苦労しないとこの世の中やっていけないとかクズ扱いされそうでこわいです
わかりづらい文書ですいません
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
ご相談ありがとうございます。
ご自身の中のセルフイメージが低く、これからどうすれば良いのか前向きに考えることができず、立ち往生してしまっている状態なのかとお見受けしました。
アドラー心理学では、劣等感を持つこと自体はにんげんてあるのであれば当然のことだと解釈します。
あなたに対してバカにしたような発言をしてきた人たちにも、劣等感があなたと同じようにあります。
むしろ、劣等感が無いのであればそんな風に人を見下すような発言はしません。
人を見下そうとする人間を、アドラー心理学では不健全な努力によって自分の価値を高めようとして、自分の感じている劣等感を少しでも軽くしようとしていると見なします。
そうした努力をしてしまうと、劣等感を負け向きに克服しようと努力することができなくなってしまうので、その人はその不健全な努力を止めない限りそれ以上の成長は見込めない人たちです。
あなたは単に、そうした人たちの標的にされやすいだけで、その人たちの劣等感を穴埋めしてあげている状態になっています。
アドラー心理学の課題の分離で考えると、他人があなたの何を劣っていると思い、何を言うのか、それはその人たちの課題でありあなたには介入できません。
ただ、他人が何を言ってきても、それをどう捉えるのかはあなたの課題です。むしろ言われたことを気にして落ち込んだりしてしまうのは他人に自分の課題への介入を許してしまっていることにもなりますし、その人たちの劣等感の穴埋めを手伝ってしまっていることになります。
誰にでも、至らないことはあるものです。他人に言われたことをとても気にされる優しい性格をお持ちなのだと思いますので、自分の本当にやりたいことよりも、まわりの人たちの話に流されてしまい、自分が熱中できることが見つかっていないのかもしれませんね。
自分が熱中できる、つまり真剣に取り組めることが見つかれば、その道の腕前は初心者であってもみるみる上達させることができます。
あなたには以前のご相談の際にも、他人と比べても意味が無いとお話しさせて頂き、他人と比べてしまうと他人の人生、つまり他人がどう思うのかを基軸とした生き方になってしまい幸福にはなれませんと、アドラー心理学の「承認欲求の否定」を取り入れることを推奨した回答をさせて頂いたと思います。
何でもかんでも、今までずっと人に言われたこと、他人からどう思われるのかを過度に気にしてしまっていたことから、引っ込み思案になり過ぎてしまっているのかもしれませんね。
こうしてマイナスな考えや感情によって自分に自信を持てないで卑屈になっていると、「どうせ自分なんて…」とばかり考えては真剣に目の前のことに取り組むことができない為、本来の自分の能力をいつまでも発揮させることができません。
過去との決別をして、過去も未来もなく、「今、この時」を自分の人生を満足できるものにする為に、前向きに生きる姿勢を持つことが大切なのかと思われます。
アドラー心理学では、過去は今の解説にはなっても、原因にはならないとしています。
つまり、あなたの劣等感が強いのは、「自分は落ちこぼれだから何かに努力して、失敗して傷付きたくない」や「これ以上バカにされて恥をかきたくないから頑張りたくない」という目的を達成しようとしていると目的論のアドラー心理学では考えます。
あなたと同じように他人からバカにされたり、見下されながらも自分の劣等感をバネにして成長する人もいることから、過去は未来を既定することはないのです。
もちろん、他人は他人、あなたはあなたですが、過去は原因にならないのであれば、その過去に対してあなたがどんな意味づけを施すのかによって過去の捉え方を変えることができます。
アドラー心理学では、この世界は自分がどのような意味づけを与えるのかによって住みにくくも住みよくもなるとしています。
人からバカにされていることに、あなたは普通の人よりも耐性が身に付いているのかもしれません。
ということは、何か新しいことを始めるとみんな大抵、怒られたりして落ち込むこともありますが、あなたは他の人たちほどは落ち込まず、自分の成長したいという目的に邁進する強さがあなたにはあるかもしれません。
つまり、過去への捉え方をマイナスな意味からプラスな意味に変えてしまうのです。
こうすれば、前向きに過去も未来もない、この「今」を生きて成長することができ、劣等感を克服することができるかもしれません。