アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
今回のご相談は、主婦の方で一緒に生活をしているご主人様がマイペースに過ごしており、腹が立ってしまい気持ちが満たされないとのお悩みです。
アドラー心理学の観点から、自分の置かれている状況に対する捉え方を変えて、自分を幸せにする方法について解説させて頂きました。
個人情報に関しましては、ぼかしを入れております。
皆様のお悩みの解決の一助となれれば幸いです。
Q1. ご相談
・年齢(年代でも可)
30代
・性別
女性
・職業
主婦
はじめまして。
いつもTwitterやブログを拝見し、勉強させていただいております。
過干渉の厳しい母親と、私に関心のない父に育てられ、最終的に結婚を早くしろと迫られ、本当に好きかどうかわからない人と結婚をして早5年経ちました。
子宝にも恵まれ、とても幸せなはずなんですが、物心ついてから今に至るまでずっと私や私の周りの環境に不満を抱えています。
一時期は良かった頃もありました(実家から離れていた大学生活の4年間)が、基本的に不満で不安で、酷い時は自殺願望がむくむくと出てきます。
現在は、2歳半の娘の子育てに頭を悩ませ、結婚前からわかっていた『家事は一切できない』主人への恨みや怒りと戦う毎日です。
平日は主人の帰りも遅くてそんなに顔を合わせないので良いのですが、週末は毎週地獄のように苦しんでいます。
自分のペースで生きることが出来ない!という苛立ちと、娘が生まれる前も後も変わらず自分のペースで生きている主人に腹が立って仕方がありません。
なので週末は娘の遊び相手は完全に主人に任せたり、1人になりたいという理由で2人に出かけてもらったり、反対に私1人でスーパーへ買い物に行ったりカフェに行ったりもしています。
なのに、イライラが止まりません。。
産後から主人への嫌悪感が爆発し(出産前は、むしろ主人に依存していました)、イライラが止まりません。
どうしたら、今目の前にあることの素晴らしさを受け入れ、幸せに穏やかに暮らすことができるのでしょうか…。
私の中に常に渦巻く主人への気持ちを考えてみたら、
「何故私だけが一人でヒーヒー言いながら頑張ってるの?あんたも私くらい苦しみなさいよ。」
でした。
もちろん、私は専業主婦なので、主人の稼ぎのおかげで生活ができているのはわかっています。
ただ、自営業のため朝も好きな時間にゆっくり起きてきて、自分のペースを崩さずヘラヘラ生きている主人に腹が立って仕方がありません。
結婚前は、主人が私を必要としてくれることで自分の価値を見出していたために家事も苦ではありませんでしたが、全身で私を必要としてくれる娘がいる今、家事が全くできない「使えない主人」は、ただの邪魔な存在でしかありません。
ただ、家事分担をしたとしたら…と想像すると、主人のやり方に文句ばかり出て、それはそれでイライラすると思いますし、産後潔癖症になってしまったので、これまで気にならなかった汚れやホコリも見逃せず、ずっと掃除ばかりしてしまいます。
自分でやらないと気が済まないのが、誰かにコントロールされているようでつらいです。
一方で自分のペースで働いている主人が仕事の愚痴をこぼすので、正直ウンザリしています。
知らねーよ、お前が悪いんだろ、と言いたいです。
実際はそんなこと言えませんが、大変だったねーなどの労いの言葉は一切言えず、正論で返してしまいます。
そして私は主人に一切愚痴をこぼしません。
こぼせないのです。
弱みを見せたくない、完璧であると主張したいのでしょうか…日頃の愚痴や、今日あったことなどのちょっとした話もしたくないのです。
私はあなたがいなくても完璧に過ごしてますよ、という気持ちなのか…
どういう理由でそうなってしまうのか自分でもよくわかりませんが、そういう事の積み重ねが自分の首を絞めているように思います。
また、長々と本当に申し訳ありません。
どうしたら私は楽に生きられるのでしょうか…
よろしくお願い致します。
A. 回答
アドラー心理学サロンです。
ご相談頂きましてありがとうございます。
「今、目の前にあることを大切にして、感謝する」
こんなありきたりな至る所で紹介されているような幸せの見つけ方では、難しそうですね…
もしかしたら、過干渉なお母様に育てられたことから、あなたは依存しやすい傾向があり、外部の要因に自分のことを左右させ過ぎているのかもしれません。
アドラー心理学ではこの状態を、他人の人生を生きてしまっており、自分の人生を生きることができていないと表現します。
誰かに保護される、管理される感覚が染み付いてしまっていることから、自分の人生を自分の手で舵取りするという概念を自分の中に定着できていないのかもしれません。
普段から不安に襲われているとのことですが、具体的にその不安がイメージできない漠然としたものであれば尚更それは、依存心の強さからくるものである可能性が高いと思われます。
ただ、こうしたら過去はあなたの今の原因であるとはアドラー心理学では考えません。
目的論のスタンスを取るアドラー心理学では、あなたの不安は、自我を確立させることによる、自分に降りかかる責任を取れなかった時に感じる自己否定感を感じたくないという目的があるのかもしれません。
どんな環境であれ、どんな状況下にいても、それをどう捉えるのかはあなた次第であり、あなたの都合の良いように捉えることができます。
アドラー心理学では、この世界に客観性は存在せず、全ては主観によって生み出されたものであると考えます。
あなたとご主人様でさえ、別々の世界を見ているのです。あなたがこの世界に与える意味づけによって、世界の捉え方は変わります。
ご出産もされて、お子様もいらっしゃるとのこと、子供がいなかった時と比べると親としての課題も加わっているので、より自分のペースが分からなくなっているのかもしれませんね。
あなたに必要なのは、アドラー心理学の課題の分離の考え方なのではないかと思われます。
他人が何を思うのか、何をするのかは、その人の課題でありあなたの課題ではありません。
この他人には、ご主人様や家族も含まれます。
また、あなたが何を思い、何をするのかはあなたの課題であり、自分の課題に他人を介入させてはいけません。
ご主人様がマイペースに過ごしているからと、あなたがイライラしてしまい、自分のペースを乱されていると感じられるのならそれは他人に自分の課題への介入を許してしまっていることになります。
自分と他人の課題をしっかりと分離して、ご主人様に対して自分が感じている不満、これからどうして欲しいのかをしっかりと話し合うことから始めてみましょう。
他人に期待して、思い通りに相手がならない時に落ち込んだりしてしまうのは依存なのです。
もちろん人間なので、残念だな…と少し気落ちしたりすることは仕方ありませんが、これが過度なものとなれば自立した人生を送ることは難しくなってしまいます。
あなたを幸せにしたり、あなたの気持ちを満たしてくれるのは、この世界にあなただけです。
他人との関わり方やその距離感について、自分の中での捉え方を、他人と自分の課題の分離をした上で変えてみましょう。
そうすれば、自分のペースが他人によってひどく乱されることを避けることができます。
あなたの場合には、世の中や他人に対する、ある種の諦めのような割り切りが必要なのかと思われます。
大切なのは、何が与えられるのかではなく、与えられたものをどう使うのかであるとアドラーは言いました。
今あるものに感謝しろという意味ではありませんが、与えられたものをどう使えば自分は満足できて、幸せになれるのだろう?と考えてみると新しい発見があるかもしれません。