アドラー心理学サロンです。
メールにてご相談頂いた内容を事例として質問と回答のセットでご紹介致します。
個人情報に関しましては、一部にぼかしを入れております。
今回のご相談は、仕事が上手くいかない時に、上司に相談しようとしても泣いてしまって言葉にならず、周りの人達まで困らせてしまうとのお悩みです。
アドラー心理学の観点から、泣いてしまう悲しみという感情の目的について、感情を整理して泣かないで言葉にする方法をご提案させて頂きました。
あなたの悩みの解決に、本記事が少しでも役立つことができましたら幸甚です。
Q1. ご相談
度々相談させていただいています。ありがとうございます。
20代後半で女性です。
教育関係の仕事をしています。
今回は、私自身小さい時から悩んでおり、人に言ったことがないことをご相談させていただきたいです。
内容は、自分の気持ちを伝える時、特に、どういう気持ちで自分は困っているかを伝える時にどうしても涙が出てきてしまうことです。
たとえば、初めて行う仕事が多いが相談する(その仕事がわかる人)がいなく、やりたい仕事がうまくいかない、と上司に言った時など、どうにかして滞りなくこなしたい仕事について説明したいのに涙が出て言葉が詰まってしまい、困らせてしまったり、泣き顔になってしまって周りに気を遣わせてしまったりするのが本当にいやです。
アドラー的には、気を遣わせるために、泣くという選択をしている、という解釈になるかもしれない、とも思うのですが、1人になってもしばらく涙が止まりません。
悩みが解決できなかった時は、家に帰ってからも一人で泣いてしまいます。
泣いても解決できないですし、今できることをやるしかないとわかっているのですが、気持ちがついていきません。
今後、泣くことなく困っていることや自分の気持ちを説明できるようになりたいです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
A. 回答
いつもご相談頂きまして、ありがとうございます。
自分の困りごとを相談する際に、感情的になってしまい、話がまとまらないというお悩みは良くあることです。
目的論のスタンスである、心理学者アドラーの観点から話をすると泣いてしまう程の悲しみの目的は、相手に自分がどれだけ辛い思いしているのかに注目させたり、自己憐憫に浸って自分を慰めるといった目的があると推測されます。
厳しい話になって大変恐縮ですが、泣いて相手を困らせることを嫌がりながらも、本当は泣いて注目を集めることで自分の苦労を肯定したいという心理背景があるようにも思えます。
感情を整理することが非常に大切なことですので、まずは自分の感情を紙に書き出してみて下さい。
紙に自分が悩んでいること、困っていることなど、愚痴を書き出すようなイメージでも問題ありません。
これは「エクスプレッシブ・ライティング」と呼ばれる手法であり、多くの心療内科や精神科でも、患者の治療に使われることの多い心理学的にも効果が立証された心理療法です。
頭の中だけで、ネガティブなことを延々と考えていると、人間には生存本能があり、悲しいこと、辛いことなどのネガティブなことには、楽しいこと、嬉しいことなどのポジティブなことよりも敏感に反応してしまいます。
現実の自分を肯定して、自分の存在を保護するためです。
なので、敏感に反応してしまうネガティブなことは無限大にあるように思えて、ポジティブなことは相対的に非常に少なく感じてしまうものなのです。
だからこそ、紙に書き出して可視化することが大切です。
紙にネガティブなことを書き出してみると、「あれっ?これしかないの?この程度のことなの?」と思えるようになるかもしれません。
ネガティブなことを書き出すだけではなく、日々嬉しかったことも、ポジティブ日記として記録していくようにすれば、なかなか見つからないポジティブなことをはっきりと認識できるようになれます。
感情が整理できれば、自然と言葉によって表現する理性的な脳機能が正常に働くようになりますので、泣かないで説明できるようになると思います。
ひょっとしたら、仕事の悩み自体が減って相談する必要性そのものが無くなることもあるかもしれません。