アドラー心理学サロンです。
アドラー心理学は、「課題の分離」や「承認欲求の否定」を否定する常識へのアンチテーゼとも言える特徴を持っております。
また、「個人の心理学」や「勇気の心理学」とも呼ばれる個人主義的な特徴があり、集団での秩序を重んじる集団主義の日本社会では特に斬新でもあり、「自己中心的」、「自分勝手」といった印象を受ける方も多くいらっしゃいます。
そこで、今回は「課題の分離」という定義について考察していきましょう。
「課題の分離」というのは、相手があなたをどう思うのか、どう評価するのか、どう感じるのかといったことは、相手が判断することであり、あなたの課題ではなく介入することはできないとしております。
この考え方は、みんなで意見や考え方を同じにして団結してこうどうを取る傾向の強い日本人には非常に斬新だったことでしょう。
しかし、これを取り違えて、放任主義になっていたり、利己主義になってしまう方から、よくアドラー心理学サロンにご相談を頂きます。
下記にて、ご相談事例を見ていきましょう。
【ご相談】
「Aさんが仕事をしないので、私の仕事が増えて困っています。他者の課題に介入できないのは分かっていますが、つらいです。」
【考察】
確かにAさんに対して、直接あなたや周りの人達が制裁を加えたりすることは、あなたの役割でもなく他者の課題への介入になりかねません。
しかし、あなたが迷惑しているなら、あなたが自分の課題に介入されてしまっております。
挙句、それでは職場と他の働いている人達にも迷惑がかかっており、そうした行為を責任者へ報告する等の行動を取らないのは自分勝手な考えになりかねません。
なのでそれを本人に「止めてください」と伝えたり、責任者へ報告すること等は、課題の分離にはなりえませんし、むしろ必要な処置となります。
程度の差の問題でもあるので、一概には言えず、その時その場所の状況に合わせて、適宜判断が必要となります。
アドラー心理学を真に理解して、生き方までアドラー心理学を取り入れ変えて行くには「これまで生きてきた年数の半分」程度の期間が必要であると言われております。
実際、私でも完璧に「課題を分離」ができているかと言うと微妙です。
しかしながら、アドラー心理学で悩みを解決すること糸口をつかみ、生き方を大きく改善した人達は大勢いらっしゃいますし、私自身もアドラー心理学を取り入れて大変救われました。
1人でも多くの方が、この「課題の分離」の定義を見直して、柔軟に自分自身の考え方に導入していけたなら望外の喜びです。